月: 2018年7月の記事一覧
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逆引き武士語『忽せにしない』☜「抜かりなく」
『ゆるがせにしない』 「ゆるがせ」(忽せ)は、語感は力強いのだが、その意味となると、ぼんやり、頼りない。 「注意を向けないで、物事をいい加減にしておくさま」 「手を抜いておろそかにするさま」をいう。 ☞語源は、「ゆるいか […]
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逆引き武士語『堪忍』☜「忍耐」
『かんにん』 「堪忍」の「堪」は「たふ」で、「こらえる」。 「忍」は「しのぶ」で、「がまんする」。 「忍」を解字すると、心に刃、字面からして痛い。 この痛さをがまんする、こらえる強い心を表している。 武士にとって「忍」の […]
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逆引き武士語『合点がいく』☜「なるほど」
『がてんがいく』 「がてんがいく」、 「がてんがいかない」。 いくもいかないも「合点」の一言で、 半七も、伝七も、平次だって、捕物帳は、ここから幕が開く。 「がてん」(合点)は和歌や俳句で優れた作品の頭に付ける符合。それ […]
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逆引き武士語『是非もない』☜「どうにもならない」
『ぜひもない』 「ぜひ」(是非)とは、物事の善いこと悪いことのこと。 「是」は、「善し」「正しい」。 「非」は、「あらざる」「あやまり」「不正」。 「是非いかにも弁へ(わきまえ)がたし」(平家物語)というように、物事の善 […]
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逆引き武士語『手元不如意』☜「手持ちがない」
『てもとふにょい』 当座の持ち合せが無い、懐がさびしい、ときなどに「てもとふにょい」につき、といって切り抜ける。 「てもと」(手元)は、手の届くあたり。 「ふにょい」(不如意)は、読んで字のごとく、意の如くならない、「ま […]
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逆引き武士語『帰するところ』☜「つまり」
『きするところ』 「つまり」「結局」「要するに」という意味で、武士が言葉にしていたのは、「きするところ」(帰するところ)ではないかと思う。 「落ち着く」「至る」という意味の「帰する」を 「こと」とか「場合」の「ところ」で […]
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逆引き武士語『笑止千万』☜「ちゃんちゃらおかしい」
『しょうしせんばん』 「しょうし」(笑止)は、「困ったこと」が第一義。 「気の毒なこと」「かわいそうなさま」「滑稽なこと」、さらに、「笑っていられない」と「笑わずにはいられない」、 相反する意味を持つ。 ☞そもそもは、大 […]
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逆引き武士語『大事ない』☜「大丈夫だ」
『だいじない』 「だいじない」の漢字表記は「大事ない」。 読んで字の如しで、おおごとではない、こと。 「かまわない」「さしつかえない」「平気だ」「心配することはない」 「たいしたことはない」などなど意味し、要するに「大丈 […]
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逆引き武士語『然様』☜「その通り」
『さよう』 「その通りだ」と相手の言っていることを肯定したり、 「はい、その通りです」と首肯く意味の「さよう」のルーツは、上代語の「さあり」(然あり)とされる。 「さあり」が音変化した「さり」(然り)も、「そうである」の […]
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逆引き武士語『三国一』☜「世界一」
『さんごくいち』 「三国一」(さんごくいち)とは、日本・唐土・天竺の中で第一であること。 外国のことをさして、唐天竺(からてんじく)といった。 唐土(もろこし・中国)と天竺(インド)。日本を含めこの三国が世界だった。 そ […]
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逆引き武士語『よしなに』☜「好きにしろ」
『よきにはからえ』 「よきにはからえ」(良きに計らえ)などと、 この様に言える立場の人は限られる。 時代劇なら殿さまの専売特許のような科白。 ☞「よき」は「よく」で、「念入りに」「上手に」「巧に」。 「はからえ」は「はか […]
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逆引き武士語『率爾ながら』☜「失礼ですが」
『そつじながら』 『そつじ』(率爾)とは、「だしぬけ」「とつぜん」「いきなり」の意。 「率」は、今でもいう「そつがない」の「そつ」、本来は、無駄とか手抜かりの意。 「爾」は、「なんじ」とか「それ」「そこ」などの意もあるが […]
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逆引き武士語『是にて御免』☜「さようなら」
『これにてごめん』 武士が、辞するときのフルワードは 「さようしからばこれにてごめん」(然様然らば是にて御免) で、実に行儀のよい挨拶になる。 が、挨拶にしてはくどくどしいので、同輩間や日常使いでは、省略して「これにて御 […]
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逆引き武士語『大義である』☜「ご苦労さま」
『たいぎである』 「たいぎ」(大儀)とは、朝廷で行われる最も重要な儀式のことをいう。 「大儀である」は、この儀式への「ご出席ご苦労さま」が原義。 いつしか、何かの働きや足労をねぎらうことばとして、目上の人が目下の者にかけ […]
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逆引き武士語『息災』☜「元気です」
『そくさい』 何事もなく達者であること、即ち元気でいることを「そくさい」という。漢字にすると「息災」。 「息」は「やめる」、「しずめる」の意。 「災」は「わざわい」。 そもそもは仏教用語で、仏の力で、災いや病いを除くこと […]
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逆引き武士語『罷り越す』☜「来る」
『まかりこす』 香具山と耳梨山があひし時 立ちて見にこし 印南国原」(万葉集) 「今こむと 言ひしばかりに長月の 有り明の月を待ち出でつるかな」(古今和歌集) 古語の「く」(来・自動詞カ行変格活用)という語は、「来る」と […]
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逆引き武士語『面妖な』☜「奇妙だ」
『さても、めんような』 「めんよう」は、名高いとか名声という意の「めいよ」(名誉)から生まれた、というと、さても面妖だが、 「めいよ」(名誉)が「めいよう」になり、さらに音変化して 「めんよう」(面妖)となったのだとされ […]