カテゴリー: 言葉の記事一覧
-
逆引き武士語『大義である』☜「ご苦労さま」
『たいぎである』 「たいぎ」(大儀)とは、朝廷で行われる最も重要な儀式のことをいう。 「大儀である」は、この儀式への「ご出席ご苦労さま」が原義。 いつしか、何かの働きや足労をねぎらうことばとして、目上の人が目下の者にかけ […]
-
逆引き武士語『息災』☜「元気です」
『そくさい』 何事もなく達者であること、即ち元気でいることを「そくさい」という。漢字にすると「息災」。 「息」は「やめる」、「しずめる」の意。 「災」は「わざわい」。 そもそもは仏教用語で、仏の力で、災いや病いを除くこと […]
-
逆引き武士語『罷り越す』☜「来る」
『まかりこす』 香具山と耳梨山があひし時 立ちて見にこし 印南国原」(万葉集) 「今こむと 言ひしばかりに長月の 有り明の月を待ち出でつるかな」(古今和歌集) 古語の「く」(来・自動詞カ行変格活用)という語は、「来る」と […]
-
逆引き武士語『面妖な』☜「奇妙だ」
『さても、めんような』 「めんよう」は、名高いとか名声という意の「めいよ」(名誉)から生まれた、というと、さても面妖だが、 「めいよ」(名誉)が「めいよう」になり、さらに音変化して 「めんよう」(面妖)となったのだとされ […]
-
逆引き武士語『埒を明ける』☜「解決する」
『らちをあける』 「この一件、らちをあけてみせやす」このひと言から、神田三河町の半七親分の謎解きが披露される。 岡本綺堂の『半七捕物帳』は、時代推理小説の先駆け、日本の探偵小説のルーツとされる作品。 居ながらにして幕末の […]
-
逆引き武士語『奥方様』☜「奥さん」
「おくがたさま」 他人の妻の敬称。武士の時代、その呼び方は、身分によって異なった。 ☞大名の夫人は「お方さま」と尊称された。 別に正妻のことを「北の方」ともいった。寝殿造りの北の対に住んだことからいう。 ☞ […]
-
逆引き武士語『辞儀に及ばぬ』☜「遠慮するな」
『じぎにおよばぬ』 同席するようすすめられたけど、「遠慮します」とお断りするケースでのひと言が、「じぎつかまつる」(辞儀仕る)。 「辞」は、別れをつげること。 礼儀正しく辞する、ということで「辞儀」。 「辞退」「遠慮」の […]
-
逆引き武士語『風聞』☜「うわさ」
『ふうぶん』 風に聞くと書いて『風聞』。 うわさが立つということは、そこに何かがある、何かが起きている その何かを風に聞くというのだから、詩的で素敵。 日本人はいつも風に何かを聞いていた。風を敏感に感じとってきたのだ。 […]
-
逆引き武士語『ぞんざい千万』☜「いい加減」
『ぞんざいせんばん』 「いい加減」ということばだが、清濁併せ吞む多様さで、いい加減にしてほしい。 アクセントが、前につくか後につくか、で意味が異なる。 前につくのが「いい湯加減」とか「丁度いい加減」とかと、用いられる、「 […]
-
逆引き武士語『お慕い申す』☜「愛しています」
『おしたいもうす』 『お慕い申しあげます』 と、裃着けて告られたら、それまでさしたる感情がなかったとしても、 少なからず動揺するでしょう。 きっと、このことばには、 いとしい気持ち、いつくしむ心、大切にしたい思い、敬う心 […]