<表記凡例>『現代語』☞『武士語』※読み解き>用例/実例◯別義(武士語の他の現代語意味)◆参考
[あ]行
『あいしています』(愛しています)
☞『おしたいもうす』(お慕い申す)
☞『こう』(恋う
☞『こがれる』(焦がれる)
☞『ほれる』(惚れる)
☞『せつなし』(切なし)
☞『れんぼ』(れんぼ)※恋慕う
☞『けそう』(懸想)※好きだなあと想いをかける
☞『なつかし』(懐かし)※こころ惹かれる
☞『おかぼれ』(岡惚れ)
※脇からひそかに恋い慕う(親しくせっしたことのない人を)
☞『めづ』(愛づ)
https://yuukiwada.com/あ行
『あきる』(飽きる)
☞『うむ』(倦む)
※同じ状態がつづいて嫌になる
>「倦まず弛まず努力する」
『あげくのはて』(挙げ句の果て)☞『とどのつまり』(鯔の詰まり)
『あさ』(朝)☞『あした』(朝)
※近世以降明くる日即ち明日の意味で用いられるようになる ◯夜明け
『あさはかだ』(浅はかだ)
☞『ふつつか』(不束)
『あさはかでうわついている』
☞『ふはく』(浮薄)
>「人心浮薄に流れ」
『あさめし』(朝飯)
☞『あさまんま』『あさげ』(朝餉)
『あざむく』(欺く)
☞『たばかる』(謀る)
>「騙された」と気付いたときに、痛恨無念の思いをこめて「たばかったな」と発する。
◆『たぶらかす』(誑かす)※惑わす、狂わせる、に比重があるようだ。
『あせる』(焦る)
☞『せく』(急く)
『あたまがいい』(頭がいい)
☞『きれもの』(切れ者)
◯やり手/敏腕家
『あてにする』(宛にする)
☞『たのむ』(恃む)
※頼りになるものとして、あてにする。力として頼る。
>「大黒柱として恃む人」「数を恃んで強行する」
『あっけない』(呆気ない)
☞『あへなし』(敢えなし)
『あっとうされる』(圧倒される)
☞『けおされる』(気圧される)
『あなた』(貴方)
☞『おぬし』(御主)、
☞其方(そなた・そち・そのほう)
☞貴殿(きでん)
☞御身(おんみ)
☞御前(おまえ)
☞汝(なんじ)
☞其許(そこもと)
☞御手前(おてまえ)
☞其文字(そもじ)
☞貴公(きこう)
☞貴様(きさま)
☞足下
☞わぬし(我主)
☞御自分(ご自分)
※罵っていう語は=︎己(うぬ/おのれ)
※「おまえ」は、江戸のある時期まで相手に対する尊敬をこめた言葉だった。
『あやしげだ』(怪しげだ)
☞『めんよう』(面妖)
>「さても面妖な」
『過ちを許す』
☞『かんにん』(堪忍)
☞『かんべん』(勘弁)
『ありがとう』(有難う)
☞『かたじけない』(忝い/辱い)
※相手の身分や言動と自分を比べたときに引けを取り“自分には不相応で恐れ多い”といった感情を表す語で、転じて「ありがたい」「もったいない」という感謝の念を表す言葉となった。>「ご配慮の程まことに恐縮ですが辱く存じます」
『ありのまま』(有りの侭)
☞『ありてい』(有り体)
>「有り体に申うせ」
◯型通り/ぶっちゃけ/率直
『あります/ある』
☞『〜でござる』(御座る)
※「あり」「居る」の尊敬語で「いらっしゃる」
>「〜へござれ」
/「来る」「行く」の尊敬語で「おいでになる」
>「不慮之儀御座候に付」
◆ございますまい/ござらん
『あるきまわる』
☞『ありく』(歩く)
『あるべきことではない』
☞『めっそうもない』(滅相も無い)
※相手の言を否定するときに謙遜の意で用いる
>「いやいや滅相もない、私など足下にも及びません」
◯とんでもない
『あわてる』☞『あたふたする』
※「泡を食う」=ひどく慌てる。
『あんしんする』(安心する)
☞『あんど』(安堵)
>「案じていたが、これで安堵したぞ」
『あんないをこう』(案内を乞う)☞『たのもう』(頼もう)
※「ごめんください」他家に訪問し案内を乞うときにいう語>「頼もう、ご主人はご在宅ですか」
[い]行
『いいかげん』(いい加減)
☞『ぞんざい』(存在)
>「ぞんざいせんばん」(ぞんざい千万)
『行かせる』
☞『つかわす』(遣わす)
※遣るの尊敬語
『いみがない』(意味がない)
☞『くだらぬ』(下らぬ)
◯お粗末/程度が低い/価値がない
『いっさくじつ』(一昨日)
☞『をとつい』(一昨日)
『いいかげんだ』
☞『なほざり』(等閑)
◯格別意にも留めない様子/本気でないこと/おろそかだ
☞『あだおろそかに』(徒疎かに)
※下に打ち消しの語を伴う。◆『あだ・徒』
『いいつける』
☞『おおせつける』(仰せ付ける)
◯お命じになる ※尊敬語
>「一番合戦仰付けられ候はずば」
『いう』
☞『おおせられる』(仰せられる)
※「言う」「命じる」の尊敬語
>「腹をきらせ給へと家康へ可被申と仰せけれ」
『いがいな』(意外な)
☞『あらぬ』
◯別の/不適当
『いがいにも』(意外にも)
☞『あにはからんや』(豈図らんや)
『いかにも』
☞『いかさま』(如何様)
※相手のことばを肯定して
☞『げに』(実に)
◯ほんとうに/まことに/まったく/なるほど
『いかにもそうであろう』
☞『さもありなん』(然もありなん)
『いきなり』
☞『にわかに』(俄に)
『いく』(行く)
☞『さんじょう』(参上)
※目上の人のところに行くこと
◆行くの尊敬語は「いらっしゃる」「行かれる」
◆参るは謙譲語、自分自身が動く際に使う。じぶんを指す場合のみ使う
◆罷り越す行くの謙譲語で、参りました。面識はないが突然失礼します。
『いく』☞『いぬ』(往ぬ)
◯行ってしまう/去る/時が過ぎる/死ぬ
『いくじのない』(意気地のない)
☞『きょうだ』(怯懦)
>「怯懦にして狐疑する」「己の怯懦を恥じる」
『いささか』(些か)
☞『ちと』(些と)
『いじらしい』☞『いとほし』
◯かわいそうだ、つらい
『いぜんの』(以前の)
☞『ありし』(在りし)
◯昔の
『〜いたします』
☞『つかまつる』(仕る)
>「委細承知仕った」
◆仕間敷候(つかまつりまじく)>してはいけない
『いちじてきなことだ』(一時的)
☞『かりそめ』(仮初め)
◯その場限り/はかないこと/軽々しい/ふと
『いちぶしじゅう』(一部始終)
☞『しゅび』(首尾)
『一任』
☞『ぞんぶんしだい』(存分次第)
>「家康存分次第ノ由有返答」
『いつわり』(偽り)
☞『そらごと』(虚言)
『いっきゅうひん』(一級品)
☞『わざもの』(業物)
『一杯いただきます』
☞『おながれちょうだいつかまつる』(お流れ頂戴仕る)
『いっぱいくわせる』
☞『おこわにかける』(御強にかける)
◯だます/ペテンにかける
『いっぱんてき』(一般的)
☞『つね』(尋常)
>「世の尋常ならぬ」
『田舎者』
☞『あさぎうら』(浅葱裏)
※田舎の藩の勤番侍が着物の裏に浅葱もめんを使っているのを野暮とした
◯野暮天
『いまいましい』(忌々しい)
☞『ねたし』(妬し)
◯癪に障る
『いまだかって』
☞『ついぞ』(終ぞ)
※後に打ち消しの語を伴って、まだ一度も経験していないことを指す
◯いままで一度も
『いらだたしい』(苛立たしい)
☞『いらいらしい』(苛々しい)
◯気がせく/もどかしい
『いろいろ世話をする』
☞『けいめい』(経営)
◯準備に奔走する/御馳走/もてなし
『いようだ』(異様だ)
☞『けしからず』(怪しからず)
※程度がはなはだしいことをいう。もともと否定的意味をもつけしにさらに打ち消しの助動詞「ず」(ぬ)を加えたもの。強い否定の意味を表すためか誤ってか
◆けしからん
『いよいよ』☞『いとど』
◯その上/加えて
「いらっしゃいませ」
☞「これはこれは ようこそ」
>「ようこそのご到来かたじけない」/「これはこれはようこそお運びくださった」
[う]行
『うわさ』(噂)
☞『ふうぶん』(風聞)
>「とかくの風聞」「悪しざまに風聞される」
『うわさにきく』
☞『おとにきく』(音に聞く)
『うれしい』
☞『きんかいのいたり』(欣快の至り)
☞『きょうえつしごく』(恐悦至極)
☞『しゅうちゃくしごく』(祝着至極)
※他人の幸せや健康に対してこの上なく喜ばしいと思い、祝うこと
>「祝着至極に存じます」うれしいことこの上ない
『うばう』☞『ぶんどる』(分捕る)
『うけいれる』(受け入れる)
☞『しょうふくする』(承服する)
※相手のいうことを承知して、それに従うこと
『後ろ楯がない』
☞『ぶらい』(無頼)
『うそ』(嘘)
☞『そらごと』(虚言)
『うたがわしい』(疑わしい)
☞『うろん』(胡乱)
『うまくやった』
☞『したり』(為たり)
☞『これはしたり』
※他人の行為に対して、感嘆語で「よくやった/お見事」の意に。
◯よくできた/でかした/してやったり
※驚いたり、あきれたりしたときにも発する。
一方自分の行為に対して「しまった、やってしまった」の意で使う。
『うらぎりのこころ』(裏切り)
☞『にしん』(二心)
◆「二心」を「ふたごころ」と読むと浮気ごころの意に。
『うらみ』(恨み)
☞『いしゅ』(意趣)
>「意趣を挟まず」
◆「意趣返し」▶︎復讐
『うらみ』☞『いこん』(遺恨)
『うろたえる』(狼狽える)
☞『ろうばいする』(狼狽)
『うんめい』(運命)
☞『さだめ』(定め)
[え]行
『えんりょするな』(遠慮するな)
☞『じぎにおよばぬ』(辞儀に及ばぬ)
◆「遠慮します」
▶︎『じぎつかまつる』(辞儀仕る)
『えんりょ』(遠慮)
☞『じぎ』(辞儀)
◯辞退/退出する
『えいようのある』(栄養のある)
☞『じようのある』(滋養のある)
『栄養をつける』
☞『せいのつく』(精のつく)
『えっ?』
☞『いなこと』(異な事)
※相手の発言や質問をいなすときの決まり文句/しらばくれてあしらう場合。
>「これは異なことをおっしゃる」
◯おかしなこと/妙な事
『えいびん』(鋭敏)
☞『とし』(敏し)
◯すばしこい/さとい
『エモい』☞『あはれ』
※心に響く対象への感情移入による主観的な感動・情緒を喜怒哀楽のいずれについても表す。
『えらい』(偉い)☞『いみじ』
◯並々でない/優れている/ひどい
『えらびだす』(選び出す)
☞『すぐる』(選る)
『えんこ』(縁故)
☞『よしみ』(誼み)
◯親しい間柄/親交/ゆかり
[お]行
『おくさん』
☞『おくがたさま』(奥方さま)
☞『お方さま』
☞『おないぎ』(お内儀)
☞『ご新造さま』/『御か文字』
『お目にかかる』
☞『けんざん』(見参)
◯拝謁
◆目下の者に会うのは『いんけん』(引見)
☞『ぎょいをえる』(御意を得る)
☞『おめどおり』(御目通り)>目通りを許す
☞『おめもじ』(御目文字)※女房言葉
『おかね』(お金)
☞『きんす』(金子)※東国
>「金子一分をこしらえ」
☞『ぎんす』(銀子)※上方
☞『やまぶきいろ』(山吹色)※大判、小判
☞『ぜに』(銭)
☞『おあし』(御足)
☞『びたせん』(鐚銭)
※粗悪な銭貨、寛永鉄銭の一文銭
『おうへいだ』(横柄だ)
☞『ずがたかい』(頭が高い)
>「えーい、頭が高い。控えおろう」
『おおげさだ』(大袈裟だ)
☞『ことごとしい』(事事しい)
◯仰々しい
『おおせ』(仰せ)
☞『ぎょい』(御意)
※目上の人への返事に使うことば
>「御意を得たく存じ奉る」
◯お心/お指図、
『お考えの通りに』
☞『御意のままに』
>御意に叶う/御意あり
『お考え、お気持ち』
☞『おぼしめし』(思し召し)
※相手を敬って
>「あはれ不憫と思召」「物の数とも不思召(おぼしめさず)」
『おくゆかしい』(奥床しい)
☞『こころにくし』(心憎し)
『おっしゃる通りです』
☞『御意の通り』
『おくびょう』(臆病)
☞『きょうだ』(怯懦)
>「怯懦にして狐疑する」「己の怯懦を恥じる」
『怒る』
☞『いろをなす』(色をなす)
※怒って顔色を変える
☞『おかんむり』(お冠)
※機嫌を悪くする意の「冠を曲げる」の略
☞『青筋を立てる』
※興奮して激しく怒る
☞『いきまく』(息巻く)
※息づかいを荒くして激しく怒る
☞『目くじらを立てる』
☞『目角を立てる』
『おしはかる』(推し量る)
☞『おしあて』(推し当て)
☞『こころあて』(心当て)
『おじけつく』(怖じけつく)
☞『おくす』(臆す)
◯気後れする
『恐れながら』
☞『はばかりながら』(憚りながら)
※何かを言おうとする時につける。おそれおおいことですが、生意気のようですが、発言をお許しください。
>「申すも憚りあることながら」
◆『憚りだが』=お手数だがよろしく
『恐れる』
☞『おじる』(怖じる)
『恐ろしい』
☞『おどろおどろし』
◯気味が悪い/異様だ
『恐れ多い』
☞『かしこし』(畏し)
※畏怖する原義が転じて畏敬の感情を表す語に。◯恐ろしい/ありがたい/高貴だ/上手だ/素晴らしい
『おだてる』
☞『すかす』(賺す)
◯言いくるめてだます/機嫌を取る
『穏やかにする』
☞『なだむ』(宥む)
◯寛大に扱う/静め、和らげる
『おつきあい』
☞『ごこうぎ』(ご交誼)
『お疲れさま』
☞『ご苦労に存じまする』
☞『お疲れのことと存じ奉りまする』
『おどけたことを言う人』
☞『へうげもの』(ひょうげもの)
『おどける』
☞『ひょうきん』(剽軽)
◯軽はずみ/気軽で面白い
『おはよう』
☞『ごきげんよう』(御機嫌よう)
※「こんにちは」も「こんばんは」も御機嫌よう
『お骨折りご苦労様』
☞『はばかりさま』(憚り様)
※他人の手をわずらわしたとき、相手に感謝することば。
『おまえ』☞『おぬし』(御主)
※「おまえ」は、江戸のある時期まで相手に対する尊敬をこめた言葉だった。
『お前ら』☞『うぬら』(汝等)
※相手を卑しめ、貶めて言うことば
『おまけに、その上さらに』
☞『かててくわえて』(糅てて加えて)
『お待ちください』
☞『またれよ』(待たれよ)
>「暫し待たれよ」「あいや、待たれい」
『お命じになる』
☞『おおせつける』(仰せ付ける)
『おめでとう』
☞『慶賀慶祝の至り』
☞『誠に御目出度く仕り候』
『思い』☞『ぞんねん』(存念)
>※相手の思いを訊ねるときは“ご”をつけて「ご存念をお聞かせください」
『思いがけなく手に入れた好運』
☞『もっけのさいわい』(物怪の幸い)
※もっけはもののけの転。
もののけの出現は、予期しない、思いがけないことだから
『思いをかける』
☞『けさう』(懸想)
『思い知ったか』
☞『おぼえたか』(覚えたか)
『思い出して』
☞『ぞんじあわせ』(存じあわせ)
『おもいつき』(思いつき)
☞『ぞんじつき』(存じ付き)
>「(ふと思いついて)ぞんじつきですが、このアイデアはどうでしょうか」
☞『ぞんじより』(存じ寄り)
※思いつきの意もあるが、身近な者の気持ちや意見を指すことが多い。
◆『存じ』=思っていること、承知していること
『思いの外』
☞『ぞんじのほか』(存じの外)
>「存じのほか遅くなりました」
◆『ぞんがい』(存外)=予想していた以上に
◆『不存知』=思いもかけない
『思いのままにならぬ』
☞『手元不如意』
>御手元不如意
『思いもよらなかった』
☞『りょがいな』(慮外な)
◯意外な/ぶしつけ
『思いやる』☞『きくす』(掬す)
>「真情を掬する」
◯気持ちを汲み取る/察する/汲む
『表沙汰になる』
☞『おもてだつ』(表立つ)
『おもしろくない』(面白くない)
☞『あぢきなし』
◯まともでない/甲斐がない/せつない
『思われる』
☞『きこゆ』(聞こゆ)
『お許し下さい』
☞『ごようしゃ』(御容赦)
>「御容赦願います」
◆御ゆるし候まじく候
☞『ごかんべんを』(ご勘弁を)
※「勘弁」は過ちを許す/うまくやりくりするの意
『おろかで道理に暗い』
☞『ぐまい』(愚昧)
※「昧」は暗い
◆妹を謙遜していうのが「愚妹」
『おろかもの』(愚か者)
☞『たわけ』(戯け)
☞『うつけもの』(空け者)
『おろそかにしない』
☞『ゆるがせにしない』(忽せにしない)
『恩恵を受ける』☞『あずかる』(与る)
◯かかわる/関与する
[か]行
『かいけつする』(解決する)
☞『らちをあける』(埒を明ける)
※「埒明く」が古形で、物事がはかどる、片がつく
>「この一件らちをあけてみせやす」
☞『らくちゃくする』(落着する)
>「一件落着」
『解決しない』
☞『埒が明かない』
◯進展しない/決りがつかない/決着しない
『考え』
☞『〜するしょぞん』(〜する所存)
☞『りょうけん』(料簡/了見)
◯気持ち/分別/思案/計らい/処置/勘弁すること
https:yuukiwada.com/か行/
『外国』
☞『からてんじく』(唐天竺)
『がいしゅつする』(外出する)
☞『おなり』(御成)
※貴人の外出や到着の尊敬語
>「御成遊ばす」「屋敷へ御成り」
◯お出かけ/お出まし
『快方に向かう』
☞『げんき』(験気)
『かう』(買う)
☞『あがなう』(購う)
『かくじ』(各自)
☞『おのおの』(各々)
☞『てんでん』
『確認するまでもない』
☞『念には及ばん』
『かしこい』(賢い)
☞『さかし』(賢し)
☞『さかしい』(賢しい)
◯栄えてめでたい/りこうだ/気が利いてよい/こざかしい
『家族や関係者の全員』
☞『いちぞくろうとう』(一族郎党)
『片を付ける』
☞『しまう』(仕舞う)
>「仕迴い候て」
『かつやく』(活躍)
☞『はたらき』(働き)
『必ず』☞『かまへて』(構えて)
※命令・禁止の表現を伴って=きっと、けして
>「かまえて訪ねてくるなと申し付ける」
※希望の表現を伴って=よく心にかけて、ぜひとも
『かのうせい』(可能性)
☞『みこみ』(見込み)
※古語は見た様子のこと。「見込む」は「あてにする」。
『可能なかぎり』
☞『あたうかぎり』(能う限り)
『かまわない』』
☞『くるしゅうない』
※「くるし」は不都合、差し障りの意
☞『だいじない』(大事無い)
◯平気だ/大丈夫/さしつかえない/心配することはない/たいしたことはない
『がまんする』(我慢する)
☞『しのぶ』(忍ぶ)
☞『かんにん』(堪忍)
『我慢できない』
☞『かんにんならぬ』(堪忍ならぬ)
◆「八幡堪忍ならぬ」=絶対に堪忍ならぬ
『かりに』(仮に)
☞『よしんば』(縦んば)
◯たとえそうだとしても/万が一
『彼』
☞『かのおひと』(かの御人)
☞『きゃつ』/『おかた』
☞『何其』
『可愛い奴』
☞『ういやつ』(愛い奴)
『関係する』
☞『あずかる』(与る)
◯かかわる/関与する/恩恵をうける
『感じ』☞『しつらえ』
◯設備、装飾
『かんしゃする』(感謝する)
☞『いたみいる』(痛み入る)
※相手の親切・好意に恐縮して
☞『冥加に余る』
※「冥加」(みょうが)は神仏の加護
『簡単』☞『やすし』(安し)
◯平穏、気楽、容易
『簡単そうだ』
☞『やすげ』(安げ)
『感動した!』☞『ああ』(嗚呼)
※物事に感動して発する語
『かんぱい』(乾杯)
☞『ひとつまいろう』
『がんばる』(頑張る)
☞『こころばむ』(心ばむ)
◯気づかう/気取る/気張る
◆『がんばる』は、江戸期の用語
『かんろく』(貫禄)
☞『かんめ』(貫目)
>「貫目が軽き心地する」
◯人に備わった重々しさ、威厳
[き]行
『きみょうだ』(奇妙だ)
☞『さても、面妖な』
※「面妖」(めんよう)は謎めいた、不思議、怪しげ、奇妙
『きっと』
☞『ひつじょう』(必定)
『きょうずる』(興ずる)
☞『すさぶ』(遊ぶ)
『きおくれする』(気後れする)
☞『おくす』(臆す)
『記憶力』☞『ものおぼえ』
『気がかりだ』
☞『こころもとなし』(心許なし)
◯待ち遠しい/はっきりしない/不安だ
『きがきかない』(気が利かない)
☞『ふつつか』(不束)
◯行き届かない/不調法/太くて丈夫/不細工/野暮/ぶかっこう/無骨/風情が無く下品、
『気がねする』
☞『はばかる』(憚る)
>「申すも憚りあることながら」
☞『つつむ』(慎む)
>「つつみ侍る」
『気が晴れない』☞『いぶせし』
◯うっとうしい/気が休まらない/不快である
『聞く』
☞『きこしめす』(聞こし召す)
※聞くの尊敬語=御聞きになる。◆聞き入るの尊敬語=お聞き入れになる。
『気配り』
☞『こころばへ』(心ばへ/心延え)
◯心づかい/風情/心のありさま
『聞こえよがしにいう』
☞『聞けがしの事を申し候』
『聞こえる』
☞『きこゆ』(聞こゆ)
◯広く伝わる/評判になる/思われる/理解できる
『危険だ』
☞『あぶのうございます』
『技芸がすぐれている』
☞『てだれ』(手練れ・手足れ)
◯腕利き/上手/優れた腕前
『起床』☞『おひんなる』
『気立て』
☞『こころばせ』(心ばせ)
◯心づかい/心がけ/たしなみ
『きたいする』(期待する)
☞『ごする』(期する)
>何をか期すべき
◆『期する』を『きする』と読んで=約束する/限る。
『汚い話』☞『びろうなはなし』(尾籠な話し)
『きちんと』
☞『おさおさ』(おさおさ)
>「殿の警固をおさおさ怠るな」
◯しっかり
『気づかう』
☞『あんずる』(案ずる)
◯心配する/工夫する
『気にくわない』
☞『こころづきなし』(心付き無し)
『気にもとめずに』
☞『とがなし』(咎なし)
※『とが』(咎)は、過失、あやまち、欠点、短所
『気晴らし』
☞『きさんじ』(気散じ)
◯気楽なこと
『厳しく叱る罰』
☞『きっとおしかり』(急度御叱り)
『希望』
☞『すえののぞみ』(末の望み)
『決まりがつかない』☞『埒が明かない』
◯進展しない/決着しない/解決しない
『決まりがつくこと』
☞『らくちゃくする』(落着する)
『きめ細かく』☞『じょさいない』(如才ない)
◯行き届いている
『気難しい人』
☞『いらいらしいひと』
『きょうしゅくです』(恐縮)☞『はばかりさま』(憚り様)
※他人の手をわずらわしたとき、相手に感謝することば。
『きょうずる』(興ずる)
☞『すさぶ』(遊ぶ)
『饗応』
☞『もてなす』(もて成す)
◯歓待する/ふるまう/待遇する/世話をする
『胸中』☞『ほうすん』(方寸)
『協力する』
☞『どうしん』(同心)
>「同心なき」
◯心を一つにする/味方する
『気楽』☞『やすし』(安し)
◯平穏/容易/簡単
◆『やすげ』(安げ)=気楽そう
『着る』☞『めす』(召す)
※佩くの尊敬語=お召しになる
『切り札』☞『とどめのいちや』(止めの一矢)
『きれいだ』
☞『うるわし』(麗わし)
◯立派だ/端正だ/親密だ/几帳面だ
『際立って他より優れている』
☞『しゅっしょく』(出色)
『気を取られる』
☞『かまける』(感ける)
『禁じられていること』
☞『ごはっと』(御法度)
◯してはいけない
[く]行
『来る』
☞『まかりこす』(罷り越す)
※「越す」は行く、来るの謙譲語
※参じる、参る、参上する
>「仰せによりただいま罷り越しました」「うかがいたき儀あり罷り越しました」
『来る』
☞『こうらい』(光来)
※来訪を敬って
>「御光来を仰ぐ」「ぜひとも御光来たまわりたし」
☞『らいが』(来駕)
☞『こうりん』(光臨)
☞『じゅらい』(入来)
◆来るの尊敬語は、いらっしゃる、来られる、お越しになる、見える、おいでになる
『食う』
☞『きこしめす』(聞こし召す)
※食う、飲むの尊敬語=召し上がる
>「聞こし召されている」/「そこもときこしめされ」
『ぐうぜん』(偶然)
☞『たまさか』(偶さか)
◯たまに/滅多にない/たまたま
『ぐうぜんに』(偶然に)
☞『おのづから』(自ら)
◯自然に/ひとりでに/知らないうちに/ひょっこり
『ぐずぐずして煮え切らない』
☞『いんじゅん』(因循)
>「因循を積み重ねる」
◯古い習慣を改めない
『くだらない』
☞『らちもない』(埒もない)
『ぐちをいう』(愚痴を言う)
☞『かこつ』(託つ)
◯不平をいう/口実にする/他のせいにする
『区別する』
☞『わきまえる』(弁える)
『口やかましい』
☞『ことがまし』(言がまし)
『苦労すること/苦難』
☞『なんぎ』(難儀)
◯困難/面倒なこと/難しいこと
『暮らし』☞『みすぎ』(身過ぎ)
※暮らしをたてていく、手立て(手段)、なりわい(職業、生計)
>「身過ぎもなりがたし」
『くれぐれも』
☞『ずいぶん』(随分)
>「随分とお達者で」「随分諸事覚悟せよとくどくど唾をやく」
◯大いに/分相応/できるだけ
『くれてやる』
☞『つかわす』(遣わす)
※遣るの尊敬語※下賜する
>「褒美を遣わそう」「褒めてつかわす」
『くわしいこと』(詳しいこと)
☞『しさい』(子細)
※「委細」より詳しい事情、細かいことを意味する
◆「子細に及ばず」=とやかく言うまでもない
◆「仔細らしい」=何かわけがあるらしい
◆「仔細ない」=差し支えない、かまわない。
◆「仔細者」=一癖ある者
『詳しい事情』
☞『いさい』(委細)
>「委細承知仕つりました」
◆「委細かまわず」=事情がどうであろうとも
◆「委細承知之助仕上げをごろうじろう」=詳しい事情も含めて全部分かっている
『詳しく話す』
☞『いさいもうしきく』(委細申し聞く)
※詳しい事情をきかせよう
「委細申し聞け候」(詳しく話した)
[け]行
『元気』☞『そくさい』(息災)
『経験に富んだ』☞『ものにふりたる』
『けいそつだ』(軽卒だ)
☞『ふつつかなり』(不束なり)
※言動に慎重な様子がないこと。物事を深く考えずにかるがるしく行うこと。また、そのさま。
『けいそつ』(軽卒)
☞『そこつ』(粗忽)
※軽はずみなこと
『軽卒・軽薄』
☞『かろがろし』(軽軽し)
◆「きょうきょう」(軽軽)も軽卒、かるがるしいさま。
『けいりゃく』(計略)
☞『はかりごと』(謀)
『芸道に執心な人物』
☞『すきもの』(数寄者)
『けして』
☞『ゆめゆめ』(努努)
※下に禁止の語を伴って=断じて
※下に打ち消しの語を伴って=まったく/少しも/是非/きっと
☞『かまへて』(構えて)
※命令・禁止の表現を伴って
>「かまえて訪ねてくるなと申し付ける」「かまえて他言無用に」
『けしからん』
☞『ふとどき』(不届き)
>「不届き千万」「不届きもの」
◯行き届かない/不注意/法や道に背くこと
『けち』
☞『しぶい』(渋い)
☞『しぶちん』(渋ちん)
『けちなことを言うなよ』
☞『しわいことをもうすな』(吝いことを申すな)
『けっきょく』(結局)
☞『とどのつまり』(鯔のつまり)
☞『きするところ』(帰するところ)
☞『あげく』(挙句)
『けっか』(結果)
☞『しゅび』(首尾)
◯一部始終
『結構なことだ』
☞『それはちょうじょう』(重畳)
※幾重にも畳(たたみ)重なっているさま。転じて、“よいことが畳重なる”という意味をこまさしく
「大変けっこうなこと」を指す。
『決着する』☞
『らくちゃくする』(落着する)
>「これにて一件落着」◯決りがつくこと/落ち着くこと
「結論づけるに」
☞『ひっきょう』(畢竟)
◯最終/要するに/所詮
『けなげ』(健気)
☞『しゅしょう』(殊勝)
※行動、態度、状態などが立派なこと、褒め称えられるべきさま
>「ご殊勝至極に存ずる」
◯もっともらしい様子で神妙にしている/謙虚
『けなす』(貶す)
☞『くさす』(腐す)
『けんこうどうしん』(健康増進)☞『ようじょう』(養生)
『現代風だ』
☞『いまめかし』(今めかし)
◯当世風だ/わざとらしい
『けんちく』(建築)
☞『さくじ』(作事)
「こ」行
『ご苦労さま』
☞『たいぎである』(大儀である)
『ごいこう』(ご意向)
☞『おぼしめし』(思し召し)
※「思う」の尊敬語「思し召す」
※相手を敬って>「あはれ不憫と思召」「物の数とも不思召(おぼしめさず)」
『恋い慕う』☞『れんぼ』(恋慕)
『来い』☞『いらっしゃい』
※「行く」「来る」の尊敬語「いらせらる」の活用「いらせられまして」の転
『高圧的態度』
☞『かさにかかる』(嵩にかかる)
◯優勢に乗じてせめる/威圧的な態度に出る
◆「笠に着る」は権勢者の後援を頼りにして威張る
『行為』☞『しわざ』(仕業)
◯したこと/所業/所為
『こうかい』(後悔)
☞『ほぞをかむ』(ほぞをかむ)
『好意的に接する』
☞『あいそ』(愛想)
※好感をもたれる心遣い
『こうぎする』(抗議する)
☞『ものもうす』(物申す)
※他家を訪問し案内を請うときにいう「ごめんください」の意味でも使う。
『こうきだ』(高貴だ)
☞『やむごとなし』
最高最上の高貴さをいう。
※放っておく訳に行かない状態を表す
◯捨てておけない/並々でない/貴重/尊い
『行動をともにする』
☞『れんぺい』(連袂)
※多くの人が
◆「どうどうする」=一緒に参る事
『こころがけがいい』
☞『たしなみのある』(嗜みのある)
『こころづかい』(心遣い)
☞『ごねんのいった』(御念のいった)
>御念には及びません
『心に思っていること』
☞『しょぞん』(所存)
『心に抱いている考え』
☞『ぞんねん』(存念)
『こころにくい』(心憎い)
☞『きはしのきく』(気はしの利く)
『心の奥底』
☞『きょうおう』(胸奥)
>「胸奥に住む」
『心引かれる』
☞『こころにくし』(心憎し)
◯奥ゆかしい/恐るべき/いぶかしい
『心が引かれる』☞『ゆかし』
◯懐かしい/見たい/聞きたい/知りたい
『ご冗談』☞『たわむれ』(戯れ)
>「御戯れをご堪忍」
『ごちそう』(御馳走)
☞『ぞうさ』(雑作/造作)
☞『もてなし』(もて成し)
『こっけいだ』(滑稽)
☞『しょうしせんばん』(笑止千万)
☞『かたはらいたい』(片腹痛い)
『ことのなりゆき』
☞『しゅび』(首尾)
◯物事のなりゆき/始めと終わり/一部始終/結果
『こなまいきな』(小生意気な)
☞『ちょこざいな』(猪口才な)
◯さしでがましい/洒落臭い/こしゃくな
『この頃』☞『けいじつ』(頃日)
◯近頃
『好ましくない行為』
☞『しょぎょう』(所業)
『心細い』
☞『おぼつかない』(覚束ない)
◯ぼんやりしている/不審だ/頼りない/心配だ/不安だ
『こびへつらう』
☞『ついしょうする』(追従する)
※他人の気に入るような言動をする>「お追従を言う」
『こまる』(困る)
☞『こうず』(困ず)
『ごめんください』
☞『たのもう』(頼もう)
※他家に訪問し案内を請うときにいう語=「物申す」
『ごめんなさい』
☞『めんもくしだいもござらぬ』(面目次第も御座らぬ)
☞『あいすまぬ』(相済まぬ)
『こらえる』
☞『かんにん』(堪忍)
>「ならぬところを堪忍してくれまいか」
『こらしめること』(懲らしめる)☞『せいばい』(成敗)
『こんい』(懇意)
☞『こころやすく』(心安く)
『こんがん』(懇願)
☞『ななえのひざをやえにおる』(七重の膝を八重に折る)
『こんき』(根気)
☞『しっこし』(尻腰)
◯意気地/度胸/決断力
『こんご』(今後)
☞『こうご/きょうこう』(向後)
>「向後その覚悟有るべきこと」
◯これから後/以後
『ごんごどうだん』(言語道断)☞『さたのかぎり』(沙汰の限り)
>「その年をして京を見ぬは沙汰の限りじゃ」
◆「沙汰のかぎり」は是非善悪の判断を下すことのできる範囲内のものの意だが、多く(沙汰のかぎりにあらず)の意で用いられるので、善悪の範囲を超えてひどい、意になる。
『こんど』(今度)
☞『こたび』(此度)
『こんにちは』
☞『おひがらもよろしく』
[さ]行
『さようなら』
☞『これにてごめん』
※「ごめん」(御免)は、容赦・お許しの意の尊敬語。※「さようしからばこれにてごめん」
『さぁ飲もう』
☞『すごされよ』(過ごされよ)
『さぁ』☞『いざ』
※人を誘って、または思い立って事をし始めようとするときに使うことば>「いざ、参ろう」
『財産』☞『しんだい』(身代)
◯資産/身分/地位
☞『しんしょう』(身上)
『さいこうだ』(最高だ)
☞『しごく』(至極)
◯もっともなこと/この上なく、
『さいてい』(裁定)
☞『さた』(沙汰)
『さいのう』(才能)
☞『きりょう』(器量)
◯名人/容貌/顔立ち
『さいのうがある』(才能がある)☞『かどかどし』(才才し)
◯才走っている/てきぱきとして賢い
『さぎ』(詐欺)
☞『かたり』(騙り)
『さくりゃく』(策略)
☞『ちょうりゃく』(調略)
※味方に寝返らせる、味方に引き入れる、
『差し上げる』
☞『たてまつる』(奉る)
※「与える」「贈る」の謙譲語=献上する
『差障りがない』
☞『べつぎなし』(別儀無し)
>「べつぎござらぬ」「別儀なければよいが」
『さしでがましい』
☞『ちょこざいな』(猪口才な)
◯小生意気な
『さしつかえる』(差し支える)☞『さはる』(障る)
◯邪魔になる/都合が悪くなる
『差し支えない』
☞『だいじない』(大事無い)
『さしむける』(差し向ける)☞『つかわす』(遣わす)
※遣る(やる)の尊敬語
『さびしい』(寂しい)
☞『わびし』(侘しい)
『参じる』☞『まかりこす』(罷り越す)
※「行く」の謙譲語。=参上する>「少々うかがいたいことあり罷り越した」
『さっする』(察する)
☞『きくす』(掬す)
>「真情を掬する」
『去る』☞『いぬ』(去ぬ・往ぬ)
◯行く、行ってしまう、時が過ぎる、死ぬ
『ざんねんだ』(残念だ)
☞『ほいなし』(本意なし)
☞『くちおしい』(口惜しい)
『残念ながら』☞『いかんせん』(如何せん)
◯残念にも/どうしたらよかろうか/どうしようにもない
[し]行
『失礼ながら』
☞『そつじながら』(率爾ながら)
※ものを尋ねるときなどにいう語、突然のことで失礼ですが。
『失礼な人』
☞『りょがいもの』(慮外者)
☞『ぶれいもの』(無礼者)
『しまった』☞『これはしたり』
※自分の行為に対して「しまった、やってしまった」の意で使う。
◯失敗した/しくじった/やりそこなった
※一方他人の行為に対しては、感嘆語で「よくやった、お見事」の意に。
『しくじる』
☞『ふかくをとる』(不覚をとる)
◯油断して失敗する
『〜時』☞『〜のこく』(刻)
※一昼夜を十二分し十二支で表した。一刻はおよそ二時間。一刻をさらに四分して、子の一刻、丑の三刻などの言い方をする。
『自覚が無い』
☞『しょうねがさだまらぬ』(性根が定まらぬ)
『しかし』☞『されど』(然れど)
※逆説を表す。前述の事柄に対してあきらかに相反する内容を述べる場合
『しかしながら』
☞『さりながら』(然りながら)
『しかたがない』(仕方が無い)
☞『ぜひもなし』(是非も無し)
※是非善悪の区別がつかない
『しかたない』
☞『せんかたなし』(詮方なし)
『時間ですよ』
☞『こくげんでござる』(刻限で御座る)
『時間の余裕がない』
☞『いとまなし』(遑なし)
『じきょする』(辞去する)
☞『おいとま』
『しげきになる』(刺激になる)
☞『はげみになろう』
『事件が持ち上がる』
☞『しゅったい』(出来)
>出来候節は(調停に乗り出す)
◯物事ができあがること
『しごと』(仕事)
☞『なりはひ』(生業)
☞『さいく』(細工)
>細工なく貧窮なり
『しさん』(資産)
☞『しんだい』(身代)
『ししつ』(資質)
☞『てんぶん』(天分)
※生まれつきの才能・性質
『ししょうがある』(支障がある)☞『はばかりのある』(憚りのある)
『じじょう』(事情)
☞『よし』(由)
『自信がある』
☞『腕に覚えあり』
◆『おぼえ』(覚え)=評判、世評、人望
『しじ』(指示)
☞『さた』(沙汰)>「沙汰のかぎりである」
『辞退する』
☞『じぎつかまつる』(辞儀仕る)
※「辞儀に及ばぬ」は、遠慮はいらないの意
『したがう』(従う)
☞『うべなう』(諾う)
『親しくない』☞『うとし』
『実用的だ』
☞『まめなり』(実なり)
◯まじめ/誠実/勤勉/忠実
『しっかりと』
☞『しかと』(確と)
>「しかと承った」「確と然様か」「しかと存じていない」
『じっくり』
☞『つらつら』(熟熟)
◯念入りに/丁寧に
『しどう』(指導)
☞『てほどき』(手解き)
『品定め』
☞『げったんする』(月旦する)
>「蔵の中を「月旦」した」
『自分勝手』
☞『えてかって』(得手勝手)
『しまりがない』
☞『やくたいもない』(益体も無い)
『しまった!』
☞『なむはちまん!』(南無八幡)
『しゃかい』(社会)
☞『せけん』(世間)
『じゃまになる』(邪魔になる)
☞『さはる』(障る)
『じゆう』(自由)
☞『ずいい』(随意)
>「どうぞご随意に」
◯束縛や制限を受けない/思いのまま/思い通り。
『じゅうぶんに、じっくりと』
☞『とくと』
◯念を入れて/よくよく
『しゅうかん』(習慣)
☞『ならひ』(習い・慣い)
『しゅんかん』(瞬間)
☞『せつな』(刹那)
『祝辞』☞『しゅうちゃくしごく』 (祝着至極)
『出処進退』☞『こうぞう』(行蔵)
>「行蔵は吾にあり」
『じょうきょう』(状況)
☞『けいせい』(形勢)
『しょうじき』(正直)
☞『まとも』(真艫)
※船尾に向かってまっすぐ背後から吹いてくれる風のことを『まとも』(真艫)という。転じて、正直であることの意になった。
『じょうしき』(常識)
☞『ふんべつ』(分別)
『じょうず』(上手)
☞『てだれ』(手練れ・手足れ)
☞『かしこし』
☞『きりょう』(器量)
『承知している』
☞『わきまえる』(弁える)
『承知できない』
☞『ふしょうち』(不承知)
『承諾いたします』
☞『かしこまってござる』
※謹んで承る
『しょうちょう』(象徴)
☞『よりしろ』
『じょうだん』(冗談)
☞『ざれごと』(戯れ言)
※「戯れ」とは、ふざける、たわむれるの意。
◆『戯言』と表記して「たわごと」。
「たわ」は「馬鹿な」の意で、「ばかばかしい話」のこと。
『じょうできだ』(上出来だ)
☞『それはでかした、重畳、重畳』
『じょうひんだ』(上品だ)
☞『あてなり』(貴なり)
『しょうねんば』(正念場)
☞『せっしょ』(切所)
『しょくぎょう』(職業)
☞『なりはひ』(生業)
◯仕事/家業/生計
『しょざいない』(所在ない)
☞『てもちぶさた』(手持ち無沙汰)
『じょせい』(女性)
☞『にょにん』(女人)
☞『にょしょう』(女性)
☞『おじょちゅう』(御女中)
『しょばつ』(処罰)
☞『せいばい』(成敗)
『処理する』
☞『したたむ』(認む』
『知らないうちに、意識せずに』
☞『おぼえず』
『しらばっくれる』☞『白を切る』
『じれったい』☞『もどかし』
※思うようにならずに
『しんこう』(親交)
☞『よしみ』(好しみ・誼み)
>「よしみを通ず」
『進展しない』
☞『埒が明かない』
『心配』
☞『おぼつかない』(覚束ない)
『心配すること』
☞『あんずる』(案ずる)
>「案ずるより産むが易しじゃ」◯気遣うこと/工夫すること
◆「あんずるに」
『心配ない』
☞『こころやすく』(心安く)
☞『案ずるな』
『しんみつ』(親密)
☞『ねんごろ』(懇ろ)
[す]行
『好きに任せる』
☞『よきにはからえ』
『好きなようにしなさい』
☞『よしなに』
『少しお待ちください』
☞『しばしまたれよ』(暫し待たれよ)
※「しばし」(暫し)=少しの間/しばらく>「暫しご猶予を」
『すいさつする』(推察する)
☞『きょうさつ』(恐察)
※へりくだっていう語
>「心中も恐察し奉りまして」
『すいそくする』(推測する)
☞『そんたくする』(忖度する)
※「忖」は人の心を推察するの意
『すいりょうする』(推量する)
☞『おしはかる』(推し量る)
※「おす」も「はかる」も推測の意
◆「推して知るべし」=所詮まともでない
☞『きくする』(掬する)
『すぐに』☞『こだまもひかず』(木霊もひかず)
※やまびこがこたえる間もなく
◆『間髪を入れず』
『優れている』☞『いみじ』
◯並々でない/素晴らしい/ひどい
『すごい』☞『いみじき』
☞『かしこし』
※畏怖する原義が転じて畏敬の感情を表す語に。
☞『めざまし』
『少しも』☞『ゆめゆめ』(努努)
『少しばかり』
☞『ちと』(些と)
◯いささか、ちょっと
☞『ちっくと』
☞『ちっくり(ちくり)』
『筋が通らない』☞『あやなし』
◯わけがわからない/理由がない/無意味だ
『スター』☞『はながた』(花形)
『すっかり』
☞『さながら』(然ながら)
◯そのまま/全部/まるで
『素晴らしい』☞『それは重畳』
『すべきではない』☞『すまじき』
>すまじきものは宮仕え
『すべて』
☞『そうじて』(総じて)
『ずるい』☞『こすい』(狡い)
『するべき時』
☞『しどころ』(仕どころ)
>「ここが我慢の仕どころ」
[せ]行
『世界一』☞『三国一』
『絶対にするな』
☞『かまへて』(構えて)
※命令・禁止の表現を伴って、きっと、必ず、けして
>「かまえて他言無用に」
※意志・希望の表現を伴って、ぜひとも/なんとかして。
『正座しろ』☞『なおれ』(直れ)
※「なおる」は、座る、正座するの意
>「そこになおれ」
『生活』
☞『たつき』(方便)
◯手段/方法/手がかり/よるべ
☞『とせい』(渡世)
『せきにん』(責任)
☞『いちぶん』(一分)
◯一身の面目
『せけんなみ』(世間並み)
☞『わたりなみ』(渡り並み)
※広く及ぶ、通じる意の『わたる』(渡る)の連語
『せったい』(接待)
☞『もてなし』(もて成し)
『ぜひとも』
☞『かまえて』(構えて)
※意志・希望の表現を伴って、なんとかして。
『絶対』
☞『こんりんざい』(金輪際)
◯どこまでも/底の底まで/とことん
『絶対ない』☞『よもあらじ』
※よもや、まさかの「よも」に「あり」を打ち消し、推量の『じ』がついた。
『世話をする』
☞『けいめい』(経営)
※鎌倉期いろいろ世話をするという意味で用いた。
☞『きもいり』(肝煎り)
>御肝煎を願ひ奉る ◯取持つこと
☞『もてなす』
◯大切にする/御馳走する/歓待する
『全快する』
☞『ほんぷく』(本復)
◯身分や財産を取もどす
『戦争』
☞『かんか』(干戈)
☞『きゅうせん』(弓箭)
[そ]行
『その通り』☞『さよう』(然様)
>急に思い出したときに「そうそう、そういえば」
『そういうこともあろう』
☞『さもあろう』
『そうか』
☞『さようか』(然様か)
>「さようのこともあらん」
『そうである/そのようである』
☞『しかり』(然り)
『そうかといって』
☞『さりとて』(然りとて)
『そうではあるが』
☞『されど』(然れど)
※逆説を表す。前述の事柄に対してあきらかに相反する内容を述べる場合
『それならば』
☞『しからば』(然らば)
◯そうであるならば/それでしたら
『爽快になる』
☞『さわだつ』(爽だつ)
※気分が良くなることを「さわやぐ」という。
『そうするしか無い』
☞『よんどころない』(拠ない)
※どうにもこうにもならず、抜き差しならない状況に追い込まれたときの言い回し
>「拠無き儀にて」
『そうだと決めつける』
☞『らくいんをおす』(烙印を捺す)
※罪人の印。一度捺したら一生消えない。そこから、決めつけるの意に。
◆「落胤」(らくいん)は落とし胤。
『そうだんする』(相談する)
☞『もうしだんじる』(申し談じる)
『早朝』☞『つとめて』
※早い意の「夙(つと)に」と同語根
『そえんだ』(疎遠だ)
☞『うとし』(疎し)
◯よく知らない/よそよそしい/親しくない/無関心だ
『そこをなんとか』
☞『まげて』(曲げて)
※理を曲げての意
『そそう』(粗相)
☞『ぶちょうほう』(不調法)
◯そこつ/酒や芸事のたしなみのないこと/不始末
『そのまま』
☞『さながら』(然ながら)
◯もとのまま/すっかり/まるで
『そのままにしておく』
☞『すておけ』(捨ておけ)
『そばに来なさい』☞『ちこう』
>「もそっとちこう」
『そまつだ』(粗末だ)
☞『いやし』(賎し)
『そらとぼける』
☞『しらをきる』(白を切る)
『そりゃく』(粗略)
☞『あだ』(徒)
>「徒やおろそかにしてはならぬ」
『それぞれ』
☞『おのがじし』(己がじし)
◯めいめいに
『それだけでなく』
☞『あまつさえ』(剰え)
◯そのうえに/それに加えて
『それでは』☞『したらば』
『それはそうと』
☞『さても』(扨も)
※話題を転換するときに用いる
◯それにしても/ところで
『それほどの』
☞『なんの』(何の)
※軽く否定したり受け流したりするときに用いる語>「なんの、これしき」
※後に打ち消しの語を伴って強く反発・否定する気持ちを表す>「酒なくして何の人生ぞ」
『それゆえ』
☞『しかれば』(然れば)
『そんけいしちゃう』(尊敬)
☞『かんぷくつかまつる』(感服仕まつる)
◯すっごい/とてもかなわない
[た]行
『大丈夫』
☞『だいじない』(大事無い)
◯平気だ/かまわない/さしつかえない/心配することはない/たいしたことはない
『待機する』
☞『ひかえる』(控える)
◯表立たずに傍らにいる/記録に残す
『たいそう』(大層)
☞『ずいぶん』(随分)
☞『ことごしい』
『退屈だ』
☞『つれづれなり』(徒然なり)
☞『ぶりょう』(無聊)
>「無聊をかこつ(=嘆く)」「無聊に苦しむ」
『大変だ』☞『ゆゆしい』
※程度がはなはだしいことやものに対して良い場合にも「大変美しい」悪い場合にも「ひどい所だ」と用いる。
※武士の時代には「大変素晴らしい」意で用いることが多い。
『大変喜ばしい』
☞『それは重畳』
※幾重にも畳(たたみ)重なっているさま。転じて、“よいことが畳重なる”という意味をこめて「この上なく満足なこと」を指す。
『大変に喜んでいる』
☞『たいけいにぞんじそうろう』(大慶に存じ候)
>「拙者も別して大慶に存じ候」
『太陽』☞『にちりん』(日輪)
☞『おてんとうさま』(お天道さま)
『絶え間なく』☞『のべつ』
※ひっきりなしの意の「のべつまくなし」だが「のべつ」は江戸時代にみられるが、「幕なし」は明治以降の語。
『だからといって』
☞『さりとて』(然りとて)
『確かに』☞『しかと』(確と)
『確かである』
☞『まがうかたない』(紛う方ない)
『たくさん』☞『あまた』(数多)
『だしぬけ』
☞『つかぬこと』(付かぬ事)
※突然違う話題をもちだす=それまでと関係のないこと
>「つかぬことを御伺いしますが」
※『やぶからぼう』(藪から棒)=出し抜けに物事を行うことのたとえ
☞『そつじなり』(率爾なり)
>「率爾の見参こそ所存の外なれ」
☞『やにわに』(矢庭に)
◯ただちに/いきなり
☞『にわかに』(俄に)
※素人が突然はじめる舞台興行を「にわか舞台」「にわか狂言」とよんだことから。
『だしぬけの無礼を詰る』
☞『りょがいなことを』(慮外なことを)
『戦いに行く』☞『しゅつじん』(出陣)
『たっぷりと』☞『たんと』
『たとえそうだとしても』☞『よしんば』(縦んば)
『楽しみ』☞『たのもし』(頼もし)
『〜だなあ』☞『〜や』(〜哉)
※感動・詠嘆を表す
『食べる』
☞『をす』
※食う、飲む、着るの尊敬語
☞『しょくす』(食す)
『食べていくこと』☞『みすぎ』(身過ぎ)
『たまに』☞『たまさか』(偶さか)
※「たま」は滅多にない、まれの意●偶然、たまたま
『だましあやつる』☞『てれん』(手練)
>手練手管 人をだます方法・手段
『だめだ』☞『ならぬ』>「〜てはならぬ」
※「〜ではならぬ」の形で打ち消しの決意>「宿へ下り候事は相成らず」
※「〜ねばならぬ」ですべきである
※「〜てならぬ」の形でそのことを禁じ得ない
『ためにならない』☞『ふため』(不為)
『だらしない』☞『みだりなり』(乱りなり)
『たより』(便り)☞『おとさた』(音沙汰)
◯知らせ/音信/裁定/指示◆「取り沙汰」=うわさにすること
『たよりない』(頼りない)☞『おぼつかない』(覚束ない)
『たよりにする』(頼りにする)☞『たのむ』(恃む)
『誰かいないか?』☞『たれかある』
『誰々さん』☞『なにがし』(何某)
◯なんとかいう/だれそれ/どこそこ
『たわいもない』☞『らちもない』(埒もない)
『だんじて』(断じて)☞『ゆめゆめ』(努努)
※下に禁止の語を伴って=けっして/きっと
※下に打ち消しの語を伴って=夢にも/まったく/少しも/是非
『だます』☞『おこわにかける』(御強にかける)
[ち]行
『ちゃんちゃらおかしい』
☞『しょうしせんばん』(笑止千万)
☞『かたはらいたい』(片腹痛い)
『違う』☞『たがう』(違う)
※自分や相手の意向と食い違ったことを指す
>「御機嫌に違う」
『力づくで女性を犯す』☞『てごめ』(手籠め)
『知人』☞『ちしき』(智識)
『ちやほやする』☞『ときめかす』(時めかす)
◆「ときめく」は、寵愛を受けて羽振りが良い
◆「ちやほや」は、「蝶よ花よ」からきたという
『ちゃんと』☞『しかと』(確と)
『中止する』☞『あいやむ』(相止む)
※互いにやめる
『中途半端』
☞『なまなか』(生半)
☞『なまじ』
※(生+強(し)ひ=なまじひの略)
☞『はんちく』
※江戸弁タケノコでもなく竹にもなっていない竹
『注目する』☞『めみたつ』(目見立つ)
『超能力』☞『きじん』(鬼神)
◆「きしん(鬼神)」は天地万物の霊魂、神々。
[つ]行
『つまり』☞『ひっきょう』(畢竟)
※「畢竟〜でござる」と言い回す。◯結論づけるに/最終/所詮/究極/結局◆『要するに』☞『ひっきょうするに』(畢竟するに)
『ついうっかりと』☞『むさと』
◯不注意に/惜しげもなく/わけもなく/むやみに/やたらに
『ついで』☞『かたがた』(旁)
◯あれやこれや
『ついでの稼ぎ』☞『ゆきがけのだちん』(行きがけの駄賃)
※ある事をするついでにちょっと他の事をする
『通信』☞『のろし』(狼煙)
※中国では狼の糞を焼いた煙を用いたので「狼煙」と表記。日本では蓬や藁。
◯合図、信号
『疲れる』☞『こうずる』(困ずる)
『つまらない』☞『あぢきなし』
◯おもしろくない、情けない、する甲斐がない
『つらい』☞『うし』(憂し)
◯苦しい/切ない/いやだ/気乗りがしない/つれない
[て]行
『でたらめだ』☞『らちもない』(埒もない)
『手持ちがない』☞『てもとふにょい』(手元不如意)
『であります』☞『〜そうろう』(候)
『程度』☞『ほど』(程)
※時間・空間・人事一般のおおよそを表す
『抵抗する』
☞『たてあう』(楯合う)
◆「盾交う」=戦う/「盾伏せ」=平和
☞『あらがう』(抗う)
☞『はむかう』(刃向かう)
『手紙』☞『しょうそく』(消息)
※消=死、息=生、無事に生きているかどうかの意
>「院の御消息(せうそこ)のいとうれしく侍りて」(院のお手紙はたいそうおそれ多くございまして)
◯たより/知らせ/動静/言づて/お伺い
☞『ふみ』(文)
◯漢詩分/書物/文章
◆「恋文」=まだとげられない想いを訴える手紙
『手がかり』☞『いとぐち』(糸口)
『手がら』☞『はたらき』
『手応えがない』☞『あへなし』(敢え無し)
◯あっけない/がっかりだ/張り合いがない
『でしゃばり』☞『ですぎもの』(出過ぎ者)
『ですが』☞『さりながら』
※さあらば
『〜です』☞『〜でござる』(御座る)
『てづまり』(手詰まり)☞『てづかえ』(手支へ)
◯差し障り/障害
『手伝う』☞『すけだち』(助太刀)
◯加勢/助力/援助
『てっていてきに』(徹底的に)☞『つぶさに』(具に)
『ではあるが』☞『なれども』
『手間や費用がかかること』☞『ぞうさ』(雑作/造作)
>「そいつは造作をおかけした」
『天才的な』☞『てんぶんゆたかな』(天分豊な)
>の天分がある
※天分=資質・生まれつきの才能・性質に天与の才がある
/日葡辞書では、天才天の智恵
『電気』☞『えれきてる』(エレキテル)
※江戸中期にオランダから伝来した摩擦発電装置electriciteiteの呼称
[と]行
『とんでもない』☞『めっそうもない』(滅相も無い)
※相手の言を否定するときに謙遜の意で用いる>「いやいや滅相もない、私など足下にも及びません」
◆「滅相もございません」はNG正しくは「めっそうもないことでございます」因に「とんでもございません」NG正しくは「とんでもないことでございます」
☞『もってのほか』
『どうにもならない』☞『ぜひもなし』(是非も無い)
※是非善悪の区別がつかない
『どうしようもない』☞『やんぬるかな』(已んぬる哉)
>「弓折れ矢尽きた。已んぬる哉」
「同意する」
☞『うべなう』(諾う・肯なう)
『どうして』
☞『いかで』(如何で)
◆希望の意を表す場合は『なんとかして』の意に。
『どうしてそのようなことを考えようか』☞『あにはからんや』(豈図らんや)
※「あに」(豈)下に打ち消しの語を伴って、けっして
反語の意を表す、どうして〜か>漢文訓読文
『どうしようか』☞『いかんせん』(如何せん)
『同情する』☞『ほだされる』(絆される)
※なさけにひきつけられて心や行動の自由が縛られる。
『当然』☞『すべからく』(須く)
※ぜひともしなければならないの意味を表す語
>「須く勉学にはげむべきである」
『当然のことだ』☞『もっとも』(尤も)
>「至極尤もである」
『とがめる』
☞『めくじらをたてる』(目くじらを立てる)
※「目くじり」(目の端/目尻)の転
『道理に合わない』☞『すじなし』
『道理にはずれている』☞『ふらち』/『むどう』(無道)
『道理や法に従わない者』☞『ふとどきもの』(不届き者)
『道理をわきまえている』☞『ふんべつのある』(分別のある)
『匿名』☞『何某』(なにがし)
『ところで』☞『さても』(扨も)
※話題を転換するときに用いる=それにしても、それはそうと
『年をとる』☞『ねぶ』
『突然』☞『やにわに』(矢庭に)
◯いきなり/だしぬけ/ただちに
『突然失礼します』☞『まかりこした』(罷り越した)
※面識は無いが突然失礼する
※「罷り越す」は謙譲語
『突然のことで失礼ですが』☞『率爾ながら』
『突然違う話題を持ち出す』
>『つかぬこと』
『とてもありがたい・うれしい』☞『きょうえつしごく』(恐悦至極)
※つつしんでよろこぶこと
>「お褒めにあずかり恐悦至極に存じます」
「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」
『とても面白い』☞『いとおかし』
※「いと」は「very」で、とても、すごく。「をかし」は、平安期の美的理念、心が引かれる情緒を指す。
◯風情がある/興味がある/愛らしい/素晴らしい/すごい/素敵だ/愛おしい/見事など
『とてもかなわない』☞『かんぷくつかまつる』(感服仕まつる)
※恐れ入りました、まいりました、とても及びません
『どう?』☞『いかが』(如何)
※疑問の意を表す●どのように
◆「如何あらん」の略で問いかける語「どうであろうか」
『どうしようか?』☞『いかんせん』(如何せん)
※いかがせむ
◆反語の意を表す場合「どうしようもない」
「確かに」「どうみてもきっと」
『どのようだ/どんなだ』☞『いかよう』(如何様)
※推量表現を伴って
『土木工事』☞『ふしん』(普請)
※現代語では建築の意で使われるが江戸時代までは、土木のこと。
『友達』☞『ともがき』(友垣)
『努力する』☞『はげむ』
『度を超す』☞『づはずれた』(図外れた)
※「づ」は並ではないことの意を添える接頭語
[な]行
『納得する』☞『とくしんする』(得心する)
※「得心づく」=納得ずく/双方とも承知
『納得がいかない』
☞『げせぬ』(解せぬ)
☞『ふにおちない』(腑に落ちない)
『なるほど』
☞『がてんがいく』(合点がいく)
>「これは合点の参らぬご挨拶かな」
☞『いかさまな』(如何様な)
『長い年月』☞『せんざい』(千載)
>「千載の遺恨」「千載一遇」
『泣きたい気分』☞『そでをぬらすこころもち』(袖を濡らす心持ち)
『泣きっ面』☞『ほえずら』(吠え面)
『投げやり』☞『ぞんざい』(存在)
『なげく』(嘆く)☞『かこつ』(託つ)
◯愚痴をこぼす/口実にする/不平をいう
『〜なさい』☞『あそばせ』(遊ばせ)
◆『〜たもれ』=〜ください>肩をもんでたもれ
『懐かしい』☞『ゆかし』
◯心がひかれる/見たい/聞きたい/知りたい
『何かわけがあるらしい』☞『しさいらしく』(仔細らしく)
◯もったいぶっている/物事を心得ている様子だ
『なにがなんでも』☞『まげて』(曲げて)
※理を曲げての意>「慮外まげて広免し給へかし」
◯無理を承知で/難しいだろうが、是非
『何事もなく達者であること』☞『そくさい』(息災)
『鍋』☞『いかもの』(以下もの)
『名高い』☞『おとにきこえた』(音に聞こえた)
『なにとぞ』☞『ひらに』(平に)
>「平にご容赦お願い申し上げる
◯なんとか/どうか/熱心に/しきりに
◆「平謝り」=懸命に、ひたすら謝ること
『生意気』☞『ですぎもの』(出過ぎ者)
『生意気だ』☞『をこがまし』(痴がまし)
※「がまし」はそれらしいの意
◯ばかげている/みっともない
『生意気な』☞『ちょこざいなり』(猪口才なり)
『なまけもので、だらしがない』☞『なまくら』(鈍)
◯切れ味のにぶい、意気地がない、腰抜け
『涙がおちる』☞『しぐれる』(時雨れる)
※涙をもよおす意の雅語的表現
『涙ぐむ』☞『さしふくむ』(差し含む)
※雅語的表現
『並々でない』☞『やむごとなし』
※最高最上の高貴さをいう。
※放っておく訳に行かない状態を表す。
『なやむ』(悩む)☞『こうず』(困ず)
『ならずもの』☞『ぶらい』(無頼)
『なんじゃく』(軟弱)☞『ふぬけた』(腑抜けた)
◯不甲斐ない
『なんとかして』☞『かまえて』(構えて)
※意志・希望の表現を伴って
◯ぜひとも/よく心にかけて
☞『いかで』(如何で)
※希望の意を表す場合の意 ◯どのようにして
『なんとしたことか』☞『これはしたり』
[に]行
『苦手だ』
☞『たしなまぬ』(嗜まぬ)
☞『ふえて』(不得手)
『忍耐』☞『かんにん』(堪忍)
『にえきらない』☞『ためらふ』(躊躇う)
※「躊」はとどまる、「躊」は飛び越える。とどまるか、飛び越えるか決めかねている
『憎まれ役』☞『かたきやく』(敵役)
※歌舞伎で生まれた役柄の名称で広く悪人の役をいう。
『にせもの』(偽物)☞『まがいもの』(紛い物)
※「紛う」は区別がつかないほどよく似るの意
『似つかわしい』☞『つきづきし』
◯しっくりしていて好ましい/調和している
『似る』☞『おぼゆ』(覚ゆ)
◯似ている/思われる/思い出す
『似合わない』☞『あいなし』
=感心できない、そぐわない、つまらない
[ぬ]行
『ヌード』☞『あかはだか』(赤裸)
※「赤」は、まったく、すっかりの意の接頭語
『抜かりなく、入念に』☞『ゆるがせにしない』(忽せにしない)
◯物事をいい加減にしない/おろそかにしない/念には念を入れて
https://yuukiwada.com./ぬ行/
『抜き差しならない』☞『よんどころない』(拠ない)
>「拠無き儀にて」
◯そうするしか他にしようがない/やむをえない
『ぬけている』(抜けている)☞『たわけたこと』
[ね]行
『根も葉もない噂』☞『ぬれぎぬ』(濡れ衣)
『値打ち』☞『しんこっちょう』(真骨頂)
※「真」は本物、「骨頂」は最上、第一位。そのものの本来の姿、本当の価値
◆「愚の骨頂」=この上なく愚か。
『寝かせる』☞『ふせたまふ』(臥せ給う)
『寝る』
☞『いぬ』(寝ぬ)
☞『やすむ』(寝む・休む)
◆寝ることの尊敬語『およる』(御夜)●御就寝
◆「おやすみなさい」は、横になる・平穏になるの尊敬語にして丁寧語。江戸中期ころから就寝時の挨拶語に。
◆「とぎ」(伽)とは、寝所の相手をつとめることだが、第一義は、話しの相手をすること/看病することだ。
『寝床』☞『ふしど』(臥所)
『熱中する』☞『ほうける』(惚ける)
『念入りに』☞『つらつら』(熟熟)
◯丁寧に/じっくり
[の]行
『乗り物』☞『かご』(駕籠)
逆引き武士語『駕籠』☜「乗り物」
『望むこと』
☞『しょもう』(所望)
※あるものがほしい、こうしてほしいと望むこと
>「所望する」
『能力』
☞『きりょう』(器量)
◆上代「うつはもの」とは、才能のある人をいった。
☞『さいかく』(才覚)
『のんびりいこうぜ』☞『のどまりてそうろう』(和まりて候)
※「和」はなごむ。
『〜の必要がない』☞『およばぬ』(及ばず)
>「礼には及ばぬ」
◆「〜に及ばず」=できない/できかねる
『のどかだ』☞『のどけし』(長閑けし)
※「閑」はひま◯うららかだ
『のどかになる』☞『のどまる』(和まる)
『飲む』☞『きこしめす』(聞こし召す)
※飲む、食うの尊敬語、召し上がる
>「聞こし召されている」
『のんき』☞『のさのさと』
※横柄にふるまうさま
『のんびり』☞『のたり』
※ゆるやかに動くさま
◆「春の海 ひねもすのたりのたりかな」(与謝蕪村)
『能力』☞『きりょう』(器量)
=上手/名人/容貌/顔立ち
[は]行
『馬鹿者』
☞『たわけ』(戯け)
☞『たわけもの』(戯け者)
☞『しれもの』(痴れ者)
◯阿呆/愚か者
『派手で華美』☞『ばさら』(婆娑羅)
◯遠慮なく振る舞うこと/派手に見栄をはること
『派手な身なりや、おかしな行動をとる者』☞『かぶきもの』(傾奇者)
『はい、その通り』☞『さよう』(然様)
『配慮』☞『ごねんのいった』(御念のいった)
>御念には及びません●こころづかい
『配慮がゆきとどかない』☞『ふつつか』(不束)
『ばかなことをする』☞『たわける』(戯ける)
>「たわけたことをぬかすな」
「はかないこと」☞「かりそめ」
『ばかにしてからかう』☞『ぐろうする』(愚弄する)
『ばかばかしい話』☞『たわごと』(戯言)
『ばかばかしくておかしい』☞『しょうし』(笑止)
『図らずも』☞『はしなくも』(端なくも)
※「端」=きっかけ
『迫力』☞『きぐみ』(気組み)
◯意気込み/気構え
『派遣する』☞『つかわす』(遣わす)
※遣るの尊敬語●行かせる/差し向ける
※下賜する/くれてやるの意で>「褒美を遣わそう」「褒めてつかわす」
『恥ずかしい』☞『はじいる』(恥じ入る)
『恥ずかしくて人に合わせる顏がない』☞『めんもくない』(面目ない)
◯世間に合わせる顏がない/顔向けできない
『恥をかかずにすむ』☞『面目が立つ』
『はたで見ていて苦々しい』☞『かたはらいたし』(片腹痛い)
◯身のほど知らず/みっともなくておかしい
『はだける』(開ける)☞『はびろぐ』
『はっきりと』☞『しかと』(確と)
※確かに、はっきりしているさま>「しかと承った」「確と然様か」「しかと存じていない」
『ぱっーといこう』☞『すごされよ』(過ごされよ)
『はなはだしい』(甚だしい)☞『えもいはぬ』
※良くも悪くも、程度のはなはだしさを表現。
言いようもないほど素晴らしい、ひどい。
『幅をきかせている者』☞『きけもの』(利け者)
『早くから』☞『つとに』(夙に)
◯ずっと以前から、若い時から
『はやる』(流行る)☞『ときめく』(時めく)
◯時勢にめぐりあって栄える/もてはやされる
『腹が減る』☞『はらがござる』(腹が御座る)
『張り合いがない』☞『あへなし』
『ばれる』☞『ろけんする』(露見する)
>「露見に及ぶ」◯みなの知るところとなってしまう/あかされる
『反対だ』☞『ふしょうち』(不承知)
『判断力が高い』☞『めがねがある』(目鑑がある)
※おめがねにかなう。
[ひ]行
『美人』
☞『べっぴん』(別嬪)
☞『小町』
『評判がいい』☞『おぼえめでたし』(覚え愛でたし)
※「覚え」とは他から思われること。「愛でたし」は素晴らしい、立派。
『比較対照する』☞『てんびんにかける』(天秤にかける)
『ひかり』☞『かげ』(影/景)
※日、月、灯火などの光
『惹かれる』☞『なつかし』
『びくびくする』☞『おじる』(怖じる)
『卑猥』☞『びろう』(尾籠)
『非常識』☞『無茶』
『ひじょうに』☞『はなはだし』(甚だしい)
>「甚だ宜しからず」
『非常によい』☞『かぎりなし』
『非常に驚く』☞『きもをけす』(肝を消す)
>「あらけなき勢に胆を消し」●肝をつぶす
『非常に無礼だ』☞『りょがいせんばん』(慮外千万)
=極めて予想外なこと
※おもいがけない、意外なこと、無礼なことの意味の「慮外」の、程度がはなはだしい「千万」だ。
『ひたすらだ』
☞『ひたぶる』(頓)
☞『いっこうに』(一向に)>「一向存知申さず」
※後に打ち消しを伴って=まるっきり/ちっとも
『ひたすら熱心におっしゃられた』☞『ひらにもうされけり』(平に申されけり)
『ひつようなもの』(必要なもの)☞『ごいりよう』(御入り用)
※用をたすのに必要なこと・もの/費用
『ひっきりなし』☞『まがなすきがな』(間がな隙がな)
『びっくりする』☞『たまげる』(魂消る)
『ひときわすぐれる』☞『ぬきんでずる』(抽んでずる)
『ひどく』☞『うたた』(転)
=いよいよ、ますます
『ひどく悲しんで泣く』
☞『そでをしぼる』(袖を絞る)
☞『たもとをしぼる』(袂を絞る)
『ひどく喜ぶこと』☞『きょうえつ』(恐悦)
※つつしんで、かしこまり喜ぶこと、感謝を述べるときに用いる
>「恐悦至極に存じます」
◆「恐悦至極」=目上の人から受けた厚意について非常に喜ばしく思うこと
「お褒めにあずかり恐悦至極に存じます」
「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」
『ひとくせある、したたか者』☞『くせもの』(曲者)
『ひどく不思議だ』☞『きみょうきてれつ』(奇妙奇天烈)
『人を誘う』☞『そでをひく』(袖を引く)
『人の所為にする』☞『かこつ』
『人を見下して横柄な態度をとる』☞『かさだか』(嵩高)
『非難する』☞「とがむ」(咎む)
『評判がいい』☞『おぼえめでたし』(覚え愛でたし)
『評判になる』☞『きこゆ』(聞こゆ)
『開いて見る』☞『ひけんする』(披見する)
※手紙や文書などを
『ひるむ』☞『たぢろぐ』
『ひれ伏す』☞『へいふくする』(平伏する)
>「平伏して請け奉る」
『卑猥』☞『びろう』(尾籠)
※「尾籠」は馬鹿げたこと、愚かな行動をする意の「尾籠」(をこ)の音読
>尾籠の振舞
『品格』☞『けはひ』(気配)
[ふ]行
『無礼だ』☞『けしからぬ』
=ひどく腹をたてる/不都合だ/憤慨する
『無愛想な言い方』☞『きりこうじょう』(切り口上)
『不安定な状態』☞『およびごし』(及び腰)
『不安』☞『おぼつかない』(覚束ない)
『不安だ』☞『こころもとなし』(心許なし)
『不可能』☞『かなわぬこと』(叶わぬこと)
『不快』☞『むしずがはしる』(虫唾が走る)
※胸がむかむかするほど
『深く感心いたしました』☞『かんぷくつかまつる』(感服仕まつる)
『復讐』☞『いしゅがへし』(意趣返し)
『ふさわしい』(相応しい)☞『つきづきし』
『相応しくない』☞『にげない』(似気ない)
『不思議な』☞『めんような』(面妖な)
『ぶしつけですが』☞『りょがいながら』(慮外ながら)
>「慮外ながらひと言申し上げます」※「慮外千万
『無礼な人』☞『りょがいもの』(慮外者)
『ぶしつけで失礼だ』☞『れうじなり』(聊爾なり)
『ぶしょうでいいかげん』(不精でいい加減)☞『ぐうたらべえ』
※「ぐう」は「愚」で「たら」は「たるむ/弛む」でぐずぐずして気力がないの意。「べえ」で人の名前に見立てた。
『ふしょうながら』(不肖ながら)☞『はばかりながら』
『不条理』☞『ひどう』(非道)
『不始末』☞『ぶちょうほう』(不調法)
『ブス』☞『おへちゃ』/『へちゃむくれ』
『ふちゅうい』(不注意)
☞『むざむざ』
☞『ふとどき』
『普通』☞『渡り並み』
※広く及ぶ、通じる意の『わたる』(渡る)の連語
『普通じゃない』☞『じんじょうならざる』(尋常ならざる)
『不得意』☞『ふえて』(不得手)
=苦手なこと
『ぶっちゃけ』☞『ありてい』(有り体)
>「有り体に申うせ」
『不届き』☞『もってのほか』(以ての外)
『ふべんだ』(不便だ)☞『びんなし』(便無し)
『不要』☞『むよう』(無用)
>「心配ご無用でござる」「問答無用」
『不名誉』☞『なおれ』(名折れ)
『不要だ』☞『かまうな』
『無礼者』
☞『ふとどきもの』(不届き者)
◆「重々不届き至極」
☞『りょがいもの』(慮外者)
『ふんがいする』(憤慨する)☞『けしからん』●
『文化人』☞『ふうがのと』(風雅の徒)
『踏ん張りどころ』☞『せっしょ』(切所)
◯難所/勝負どころ/正念場/ピンチ
『分別を失う』☞『まどふ』(惑う)
[へ]行
『平和』
☞『てんかたいへい』(天下太平)
☞『へいあん』(平安)
☞『あんねい』(安寧)
『平気』☞『だいじない』(大事無い)
『平凡な腕前』☞『凡手』(ぼんしゅ)
※無腰に見えて凡手ならざる
『へただ』☞『てづつなり』
『別条ない』☞『べつぎなし』(別儀無し)
※「別義」はほかのこと、特別の事情
>「べつぎござらぬ」「別儀なければよいが」
『別の』☞『あらぬ』
『別のこと』☞『よのぎ』(余の儀)
>「汝を呼び出す、余の儀にあらず」
『ペテンにかける』☞『おこわにかける』(御強にかける)
『便宜をはかる』☞『ちそうする』(馳走する)
◆便宜目出度く(ひんきめてたく)>都合の良い便があったので
『返事』☞『いらへ』(答え)>「いらへもなく過ぐる」
◆『さしいらへ』(差答え)>「此度の差答の儀、まことに快然なり」
[ほ]行
『報告します』☞『ごちゅうしん』(御注進)
>「御注進に及ぶ」
『方策を立てる』
☞『てだてをこうじる』(手立てを講じる)
※「手立て」は方法、手段。「講じる」は、解き明かして実行する。
☞『さくをこうずる』(策を講ずる)
◆悪人なら「策を弄する」
『ほうっておく』☞『ほうとん』(放頓)
『ぼうっとしている』☞『ほけほけ』(惚け惚け)
『方法』
☞『てだて』(手立て)
☞『たつき』(方便)
☞『ごほうべん』(御方便)
☞『すべ』(術)
☞『おくのて』(奥の手)
『方面』☞『おもて』(表)
『訪問する』☞『すいさん』(推参)
『ぼんやりしている』☞『おぼつかなし』(覚束なし)
『ほかのこと』☞『よのぎ』(余の儀)
>「汝を呼び出したのも余の儀にあらず」
『ほかのこと』☞『たじ』(他事)
※その人には関係ないこと、よそごと。
>他事ヲ不奉存候(ぞんじたてまつらずそうろう)
手紙ではあなたに関係ないこと即ち自分のこと、「他事ながらご休心ください
『他の人』☞『よじん』(余人)
『ほしいままにする』☞『もはらにする』(専らにする)
※『もはら』(専ら)=ひたすら
『保証』☞『うけあう』
『骨折りご苦労さん』☞『はばかりさま』
『ほめる』☞『あっぱれ』『めず』
『惚れる』☞『とーんとくる』
※江戸っ子言葉
『本気でないこと』☞『なほざり』(等閑)
『ほんとうに』(本当に)☞『げに』(実に)
『ほんとうに』(本当に)☞『はちまんかけて』(八幡掛けて)
※八幡神に誓って
『ほんとにまぁ』☞『さても』(扨も)
>「扨もあっぱれな桜だ」
『ほんのわずかの間』
☞『たまゆら』(玉響)
※勾玉同士が触れ合う微かな音
☞『つかのま』(束の間)
『ぼんやりしている』☞『おぼつかなし』(覚束ない)
『ぼんやりしていて注意のゆきとどかない』☞『迂闊千万でござりました』
[ま] 行
『また妙なことを』☞『いなこと』(異なこと)
『まぬけ』
☞『とんま』(頓馬)
☞『のろま』
☞『とんちき』
※江戸弁
『まあよい』☞『よろし』
『まいりました』☞『かんぷくつかまった』(感服仕まった)
『まごころ』☞『ちゅうしん』(衷心)
>「衷心よりご多幸を御祈り申し上げます」
『ま、まことか』☞『げに』(実に)
『まさしくその通り』☞『いかさま』(如何様)
※相手のことばを肯定して=「いかにも」「まちがいない」「なるほどな」
『まさしく、的を得た』☞『いみじくも』
※素晴らしい、立派などの意ももつ古語「いみじ」から派生し、江戸後期に生まれた慣用表現
『貧しい』☞『わびし』
『まずは一杯』
☞『ひとつまいろう』
※相手への敬意をこめて、はじめの盃一杯飲みほしましょう
☞『いっさんまいろう』(一盞まいろう)
※「一盞」は一つの盃
『まちがう』☞『たがえる』(違える)
『まちがえようがない』☞『まがうかたない』(紛う方ない)
『まったく』☞『さも』(然も)
『まったく』☞『ゆめゆめ』(努努)
※下に打ち消しの語を伴って=少しも/是非/きっと
『まったく嫌だ』☞『まっぴらごめん』(真っ平御免)
『まにあわせ』☞『かりそめなり』(仮初なり)
『まよう』☞『まどふ』(惑う)
『まれなこと』☞『たまさか』(偶さか)
『万が一』☞『よしんば』(縦んば)
『まんべんなく』☞『つぶさに』(具に)
◆「つまびらか」(詳らか)は、具にと意味は同じだが、書き言葉(漢文訓読文)
『満足する』☞『ほいあり』(本意有り)
[み]行
『見事だ』☞『あっぱれ』(天晴れ)
>「天晴れ文武二道の達者かな」
『身動きがとれない』☞『にっちもさっちもいかない』
※算盤用語。二でも三でも割り切れない、二進も三進もいかない)
◆「ほとほと困じて御座る」
『見苦しい』
☞『あし』
☞『はしたなし』
『未熟』
☞『つたなし』(拙なし)
☞『みれんなり』(未練なり)
『未熟者』☞『へなちょこ』
『みずみずしく美しい』☞『なまめかし』(艶かし)
『見せかけ』☞『てい』(体)
>職人体にする(職人のような様子にする)
『身だしなみ』☞『みじまい』(身仕舞)
>「律儀で身仕舞のよい御倹約家」
『乱れる』☞『ひたたく』(滔く)
『道にはずれた』☞『げどう』(外道)
『みっともなくておかしい』☞『かたはらいたし』(片腹痛い)
『みっともない』☞『をこがまし』(痴がまし)
※「をこ」は、ばかげたこと、愚かな行動。「がまし」はそれらしいの意
◆出過ぎている、さしでがましい意の「おこがましい」となったのはずっと後
『皆様方』☞『おのおのがた』(各々方)
>「各々方油断召されるな」
『身なり』☞『ふうてい』(風体)
『身に着けて、衣服が立派に見える』☞『きばえ』(着映え)
『身のこなし』☞『ものごし』
『みみっちい』☞『いぢましい』
『身分』☞『ぶんざい』(分際)
>「分際にすぎるぞ」
[む]行
『無理を承知で』☞『まげて』(曲げて)
※理を曲げての意
>「慮外まげて広免し給へかし」
『無理だ』☞『わりなし』(理なし)
※武士は、「理屈抜きに素晴らしい」「優れている」という意味でも用いた。
『昔の』☞『ありし』(在り日)
『無関心だ』☞『うとし』(疎し)
『無邪気』☞『がんぜない』(頑是無い)
『無視する』☞『ないがしろにする』(蔑ろにする)
※代わりになるものが無い、よって無いに等しい「無きが代」の転。
『むずかしいこと』☞『なんぎ』(難儀)
「無造作」☞「むさと」
>むざと積置しのみにては一向蓄なきと同然なり
『無駄』☞『あだ』(徒)
>「徒や疎かにしてはならぬ」
『無責任』☞『みがって』(身勝手)
『胸のうち』☞『しんかん』(心肝)
>「心肝に刻んで衷心より」
『むやみに・むしょうに』☞『むげに』(無下に)
※下に打ち消しの語を伴って=まったく/全然
◆「無下にする」=むだにする。冷たく扱う
『むやみやたら』☞『そぞろなり』(漫ろ)
『群がり集まる』☞『すだく』(集く)
『無理』☞『にがかつ』(荷が勝つ)
『無法』☞『むたい』(無体)
『無理矢理押し通す』☞『よこがみやぶり』(横紙やぶり)
[め]行
『命令する』☞『げちする』(下知する)
『命令』☞『おおせ』(仰せ)
>「仰せに従います」
「被仰付候(おおせつけられました)」
「誠に仰せのごとくでござる」
逆引き武士語『下知する』☜「命令する」
『目上の人のもとに行くこと』☞『さんじょうする』(参上する)
『めぐりあわせ』☞『仕合わせ』
>「仕合わせのよき時」
『召し上がる』☞『きこしめす』
『面倒』☞『ぞうさ』(雑作/造作)
『面倒を見る』
☞『もてなす』
☞『ちそうする』(馳走する)
『面倒なこと』☞『なんぎ』(難儀)
『珍しい』☞『ありがたし』
『めちゃくちゃ』☞『らちもない』(埒もない)
『めったに』☞『おさおさ』
※下に打ち消しの語を伴って=ほとんど/まったく/少しも
◆きちんと/しっかりとの意もあり
>「殿の警固をおさおさ怠るな」
『めったにない』☞『たまさか』
『めでたい』☞『それはちょうじょう』(それは重畳)
※幾重にも畳(たたみ)重なっているさま。転じて、“よいことが畳重なる”という意味をこめて「この上なく満足なこと」を指す。畳は高級品
『目に余るほど』☞『めざまし』
『面会』☞『めどおり』(目通り)
『面子』☞『めんもく』(面目)
『面倒』☞『ぞうさ』(雑作/造作)
>「そいつは造作をおかけした」
『面倒くさい』☞『むづかし』(難し)
※古語「むつかし」は不快感を表す語だったが、濁音化して「むづかし」となって、面倒だ、煩わしいの意で多用された。
『面倒な事柄』☞『なんぎ』(難儀)
『面倒をみる』☞『ちそうする』(馳走する)
『面目丸つぶれ』☞『がいぶんをうしなう』(外聞を失いける)
[も]行
『申し訳ありません』
☞『めんぼくしだいもござらぬ』(面目次第も御座らぬ)
☞『相すまぬことでござった』
☞『ご無礼の段平にご容赦くだされ』
☞『迂闊千万でござりました』
『もうこれ以上我慢できない』
☞『かんにんぶくろのおがきれる』(堪忍袋の緒が切れる)
※堪忍袋は心の広さを表す。布袋さんの背負っている袋だという。
『申し述べる』☞『ごんじょうする』(言上する)
※目上の人に申し上げること>「御礼を言上する」
『〜申し上げます』☞『〜たてまつります』(奉ります)
『もう終わりだ』☞『やんぬるかな』
『もったいないおことば』☞『かたじけない』
※身に余るほどありがたいと深く感謝する語●洵に恐縮
『もったいぶっている』☞☞『しさいらしく』(仔細らしく)
「もってのほか」☞「めっそうもない」(滅相も無い)
『もっともなこと』☞『しごく』(至極)
『もっともなことだ』
☞『むべなるかな』(宜なるかな)
※「むべ」は「うべ」。「う」は承諾の意の感動詞+「べ」は納得、肯定の意。武士の時代「むべ」と表記するようになった。
☞『さもあろう』『さもあり』
『もっとも得意とする』☞『えて』(得手)
◆「得手物」=得意なげ芸や技/「おはこ」(十八番)
『もっともらしい』☞『しかつめらしい』(鹿爪らしい)
◆しかつめ」は「然あるつべし」の略
『もっぱら』☞『おさおさ』
『もてなし』
☞『ぞうさ』(造作)
>「そいつは造作をおかけした」
☞『ちそう』(馳走
『もどかしい』☞『おぼつかなし』
『物知りぶって生意気』☞『きいたふう』(利いた風)
『物事のなりゆき』☞『しゅび』(首尾)
『ものずきなひと』(物好きな人)☞『すきもの』(数奇者)
『ものものしい』☞『ことごとしい』
『物や物事の区別がつかない』☞『あやめもわかぬ』(文目もわからぬ)
※「文目」道理、筋道の意
『もめ事の後始末』☞『おとしまえ』(落とし前)
※失敗、無礼の後始末>「落とし前を着ける」
『もらう』☞『しょもうする』(所望する)
※あるものがほしい、こうしてほしいと望むこと
『もれなく』☞『つぶさに』(具に)
『問題なく』☞『つつがなく』(恙無く)
※病気、災難の意味の「恙」がない
>「つつがなく終えることができた」
や行
『役にも立たない』☞『やくたいもない』(益体もない)
『約束する』☞『ちぎる』(契る)
『役目』☞『やくぎ』(役儀)
>「役儀勤まり候」
『やたらに』☞『むさと』
『やっつける』☞『せいばいする』(成敗する)
>「間男を成敗致す」
『やむをえない』☞『ぜひにおよばず』(是非に及ばず)
※「ぜ・是」は正しい。「ひ/非」は誤り、不正。
ものごとの良いことと悪いこと、その判断がつかない
『やむをえない』☞『よんどころない』(拠ない)
>「拠無き儀にて参会」抜き差しならない事情
『やりきれない』
☞『せんかたなし』(為ん方なし)
☞『せつなし』(切なし)
『やりくりする』☞『さいかくする』(才覚する)
※「才覚」はすばやく頭を働かせて物事に対応する能力、機転、才知がある、智恵があること。
『やりそこなった』☞『これはしたり』
『やりたい』☞『やぶさかでない』(吝かでない)
※吝かは物惜しみする、ためらうなど思い切りの悪さをいう。そうでないので努力を惜しまない、大いに喜んでするの意に
『やりたいままに振る舞う』☞『ほしいままにする』(縦にする)
>淫行をほしいままに致せし●
『やり手』☞『きれもの』(切れ者)
『やります』☞『つかまつる』(仕る)
『やるきになる』☞『はげみとなろう』(励みとなろう)
『〜やる』☞『〜つかわす』
>「褒めてつかわす」
[ゆ]行
『ゆだんした』(油断した)☞『ふかくをとる』(不覚をとる)
『油断して失敗する』☞『ぬかる』(抜かる)
『勇敢で強い人』☞『ごうのもの』(剛の者)
『ゆえに』☞『なれば』
『有名だ』☞『おとにきこえた』(音に聞こえた)
『ゆかないで』☞『あいや またれい』(あいや待たれい)
※去る者を思いとどまらせる
『行き届いている』☞『じょさいない』(如才無い)
『油断につけ込む』☞『きょにじょうじる』(虚に乗じる)
※「虚」=備えのないこと
『ゆっくりと』
☞『ゆるりと』
☞『おもむろに』(徐に)
※落ち着いてゆっくりと事を始めるさま
☞『やおら』(徐ら)
『許さない』☞『まかりならん』(罷り成らん)
※「罷り」は行く、来るの謙譲語、
「成らん」は、できる、許されるの「成る」の打ち消し。
>「進退罷り成らざる輩」
『許しを得る』☞『ごめんこうむる』(御免蒙る)
『許す』
☞『くるしゅうない』(苦しゅう無い)
>「苦しゅうない、近こう寄れ」
☞『ごようしゃ』(御容赦)
>「御容赦願います」
『赦す』☞『めんじる』(免じる)
[よ]行
『よいころあい』☞『じぶん』(時分)
>「そろそろ参る時分だ」
『夜明け』☞『あした』/『あかつき』
『用意する』☞『したためる』(認める)
『容易だ』☞『安し』
『要するに』☞『ひっきょうするに』(畢竟するに)
※『ひっきょう』(畢竟)
『予感』☞『むなさわぎ』(胸騒ぎ)
『予期に反して残念だ』☞『しんがい』(心外)
>「甚だ心外に存じ」
『よく気がつく』☞『きはしのきく』(気はしの利く)
『よく知らない』☞『くらし』(暗し)
『よくぞ、まさに時を得た』☞『いみじくも』
『よくできた』☞『これはしたり』
※他人の行為に対して、感嘆語で「よくやった、お見事」の意に。
『よくない』☞『ふらち』(不埒)
>「不埒のことにつきお叱り仰せつけられ候
◆「不埒をはたらく」男女の絡みに関わる使い方をする。
『よくない行為』☞『しょぎょう』(所業)
『よくやった』☞『でかした』(出来した)
『よけいな』☞『いらざる』(要らざる・入らざる)
>「要らざる世話を焼く」
『予想していた以上に』☞『ぞんがい』(存外)
『予定』☞『あらまし』
『呼ぶ』☞『めす』(召す)
※人を呼ぶ
『喜ばしい』☞『しゅうちゃく』(祝着)
『よろしくお願いします』☞『はんはんたのみもうしそうろう』(万万頼み申し候)
『よろしく目をかけて』☞『ごねんごろなされ』(御懇ろなされ)
『弱る』☞『こうず』(困ず)
[ら]行
『ラッキーだ』☞『わたりにふね』(渡りに船)
『乱暴する』☞『ろうぜきをはたらく』(狼藉を働く)
『楽な姿勢でどうぞ』☞『おたいらに』(御平らに)
※「膝を崩して」と同じお楽になさってください
◆「おみ足をお楽に」
◆古語で「たひら」とはあぐらをかくさまをいう
『来訪』
☞『こうらい』(光来)
>「ぜひとも御光来たまわりたし」
☞『らいが』(来駕)
☞『じゅらい』(入来)
『乱雑であること』☞『うろん』(胡乱)
◯疑わしい/不誠実
[り]行
『理解する』☞『こころえる』(心得る)
>「心得て候」「心得違いするな」
「この場を何と心得るか」
『理解いたしました』☞『かしこまりました』(畏まりました)
※敬いの気持ちがこめられる
『了解した』
☞『ぎょいのままに』(御意のままに)
>御意に叶う/御意あり
☞『しょうちつかまつる』(承知仕まる)
>「委細承知仕った」
☞『かしこまった』(畏まった)
☞『わきまえる』(弁える)
『理解に苦しむ』☞『げせない』
『力量』☞『きりょう』(器量)
『理屈』☞『すじみち』(筋道)
『理屈に合わない』
☞『つじつまがあわない』(辻褄が合わない)
※辻と褄。裁縫や着物に関することを由来にした語。
合うべきところがきちんと合わないこと。
☞『あやなし』
『利口だ』☞『さかしい』(賢しい)
『利口ぶる』☞『さかしら』(賢しら)
『理想的だ』☞『あらまほし』
『立派』☞『かしこし』(畏し・賢し)
※畏怖する原義が転じて畏敬の感情を表す語に。
『理由』
☞『よし』(由)
☞『しさい』(仔細)
>「仔細に及ばず」とやかく言うまでもない
『利発』☞『さいち』(才知)
『理由とする事項』☞『かど』(廉)
※〜の廉で追放
[る]行
『ルーキー』
☞『しんざんもの』(新参者)
☞『しんまい』(新米)
『ルネサンス』
☞『いしん』(維新)
☞『かいてん』(回天)
『ルーム』☞『ざしき』(座敷)
※畳を敷き詰めた部屋。書院造りの建築様式にはじめて登場した。
『ルート』☞『てづる』(手蔓)
[れ]行
『零時』☞『ねのこく』(子の刻)
『例外ではなく』☞『ごたぶんにもれず』(御多分に漏れず)
※「御多分」は世間一般、大勢のこと。
◆たぶん違いで「他聞をはばかる」は、
世間に知られるとまずいの意。
『令嬢』☞『ひめ』(姫)
※およそ高貴な身分の人の息女の敬称。
年齢制限なく、高齢でも「姫」と呼ばれていた。
『礼儀にかなった身のこなし』☞『ようぎ』(容儀)
>「容儀のよいものだ」
『レジャー』☞『ものみゆさん』(物見遊山)
※「物見」は見物、「遊山」は山遊び、行楽、気晴らしの意も。
箱根の関所の手前までなら通行手形が不要なので自由に物見遊山が楽しめた。
『レッツゴー』☞『いざしゅつじん』(出陣)
『連絡する』☞『ごちゅうしん』(御注進)
[ろ]行
『ロマンス』☞『みちゆき』(道行き)
『労苦』☞『おほねおり』(お骨折り)
※労苦、尽力に対して感謝の意を含んで用いられる。
>「お骨折りかたじけのう存じる」
◆「骨折り損の草臥れ儲け」苦労しても疲れただけで成果なし。
「労働」☞『はたらき』(働き)
『朗報』☞『きっそう』(吉左右)
※左右は知らせの意味。>「吉左右いかに」
『ローカル』☞『ひな』(鄙)
※「鄙」は田舎、開けていないところ、地方
◆「鄙には稀な」
◆「雛人形」の「雛」はひよこ。小さな、愛らしいの意。
『論争』☞『さやあて』(鞘当て)
※武士が道で行き違うときに刀の鞘に触れたのを咎め、争うこと。
「鞘咎め」ともいう。
『ろんがい』(論外)☞『さたのほか』(沙汰の外)
[わ]行
『わからない』☞『げせぬ』(解せぬ)
『わいせつな話』☞『びろうなはなし』(尾籠な話)
『わかった』
☞『なるへそ』※「なるほど」のふざけたものいい。
☞『あいわかった』(相わかった)
☞『相承知致した』
※「相」は、語調を整え、また意味を強める、重々しくする。
たしかに、まさにの意。
『別れの時間』☞『こくげん』(刻限)
>刻限のようだ
『わがまま』☞『じまま』(自侭)
『悪く言ったり、悪いものとして扱う』☞『あしざま』(悪し様)
>「悪し様に罵る」
『わきからひそかに恋い慕う』☞『おかぼれ』(岡惚れ)
<親しく接したことのない人を
『わかったか』☞『おぼえたか』(覚えたか)
◆「覚えず」=「知らないうちに、意識せずに」
『わけもなく』☞『すずろなり』(漫ろなり)
◯根拠がない/むやみやたら/なんとなく/無関係/無関心/あてがない
『わざとらしい』☞『そらぞらしい』(空々しい)
『わたし』
☞『せっしゃ』(拙者)
※自らをへりくだって>「拙者一存で」
☞『それがし』(某)
※(自称だけでなく)名の知れない人、誰それ、なにがし
☞みども(身共)
☞しょうせい(小生)
☞よ(余)
☞われ
☞わが
☞わし(儂)
☞てまえ(手前)
☞まろ
☞わらわ
☞おの(己)
☞あが
☞自分
※分をわきまえる
◆江戸幕府内では、相手を指して「自分」といい、自分は、自分の名をいう。
「わたくし」とはいわない、将軍が「わたくし」というからだ。
『わびる』☞『ごめん』(御免)
※許す意味の「免ず」に尊敬語の「御」。
武士の興隆に伴い生まれた語
>「御免候へ」「御免被下(ごめんくだされ)」
◆「ごめんください」=許しを乞う「御免させてください」が約まり訪問の挨拶語になった。
『割にあわない』☞『ましゃくにあわない』(間尺に合わない)
※建物や家具などの寸法の単位。「間=けん」と「尺=しゃく」。
寸法が合わないことから計算が合わない、損になるの意に。
『悪い』☞『あし』(悪し)
>「十々お手前が悪し」
「口論の仕どころあしければ」
『悪い印象』☞『おぼえめでたがらず』
※『おぼえ』(覚え)は、評判、世評、人望
◆『おぼえめでたし』(覚え愛でたし)=信頼されている
『わるぎ』☞『じゃき』(邪気)
『悪口』☞『ぞうごん』(雑言)
『悪く言ったり、悪いものとして扱う』☞『あしざま』(悪し様)
>「悪し様に罵る」
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逆引き武士語『濡れ衣』☜「根も葉もない噂」
『ぬれぎぬ』 「ぬれぎぬ」(濡れ衣)は、「根も葉ものないうわさ」「無実の浮き名」「身に覚えのない罪」。 「ぬれぎぬをのみきること、いまははらへ捨ててむと」(和泉式部集) ☞「ぬれぎぬ」は、文字通り雨水や海水などに濡れた衣 […]
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逆引き武士語『駕籠』☜「乗り物」
『かご』 「のりもの」は、人を乗せて運ぶものの意で、馬、牛、車などを称し、上代から言葉として、使われている。 「花の春、紅葉の秋、のりものを命(おほ)せて向かひ」 (常陸国風土記) 江戸時代になると、 とくに許された者が […]
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逆引き武士語『たわけ』☜「馬鹿者」
『たわけ』 「ばかもの」ということば自体、南北朝時代の文献にみられるという。 「ばかのもの」といい、 「狼藉をはたらく者」の意味で用いられている。 いつごろから、「乱暴者」から、現代使われているような「愚かしい」という意 […]
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逆引き武士語『小町』☜「美人」
『こまち』 美人をいうのにも等級があるのだそうだ。 横綱が「佳人」で、大関が「麗人」そして関脇が「別嬪」だという。 「別嬪」は、単に美しいのではなく非常に美しい女性で、これに育ちの良さが加わると「麗人」、知性まで備わった […]
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逆引き武士語『怪しからぬ』☜「無礼だ」
『けしからぬ』 「ぶれい」(無礼)も武士語として、時代劇などの登場頻度は高い。 「無礼の段御容赦」などと用いられる。 「蛮夷僭上無礼の至極ぜひにおよばず候」(太平記) “武士が身分をわきまえず無礼を極めるのは、仕方がない […]
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逆引き武士語『天下太平』☜「平和」
『てんかたいへい』 「平和」は、明治に入ってもたらされた。「peace」の翻訳語として造語されたのだ。 それまで「和平」という漢語はあったが、「和することによって平らぐ」で、戦争状態だったものが仲直りするという意味だった […]
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逆引き武士語『御注進』☜「報・連・相」
『ごちゅうしんにおよぶ』 「ほうれんそう」と聞いて「ポパイ」と答える人は、相当長い間人間をやっきたに違いない。 恋人のオリーブがピンチになると、缶詰を握りつぶしてほうれん草を口にほうりこむ。腕の力こぶがみるみる大きくなっ […]
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逆引き武士語『異な事』☜「また妙なことを」
『いなことを』 「いなこと」(異なこと)の「い」(異)とは、普通とは異なっていること。 「妙なこと」「不思議なこと」「おかしなこと」の意味。 「い」(異)ひと言は、現在の「えっ?」のようなものだろう。 言葉として口に出す […]
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逆引き武士語『天晴れ』☜「見事だ」
『あっぱれ!』 殿様が扇を開いて「天晴れ!ほめてつかわす」というのは、時代劇コメディの定番。 歴史ものではあまり見られない。 ということで、「天晴れ!」は、肩肘はらずに面白半分で、使える武士語といえそうだ。 ☞「あっぱれ […]
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逆引き武士語『曲げて』☜「無理を承知で」
『まげて』 「まげて」とは、道理や意志に反して行動するさま。 「理をまげて」の意。 無理を承知で頼むときに使う。 自分の要望ををなんとか了承してほしいと相手に願う気持ちを表す。 無理でも。是が非でも。なにがなんでも。 「 […]
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逆引き武士語『下知する』☜「命令する」
『げちする』 「げち」は、命令、指図すること。 上から下に知らしめるから、漢字表記は「下知」。 「命令する」は「下知する」。 ☞『平家物語』には、戦記シーンで「下知」が頻出する。(げぢと読む) “みな平家の下知とのみ心得 […]
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逆引き武士語『面目ない』☜「申し訳ない」
『めんもくしだいもござらぬ』 「めんもくない」というところを 「面目次第もないことでございます」と、幾重にも丁寧を重ねたのが、 「面目次第も御座らぬ」。 「世間に合わせる顏がございません」という意味がまぶされた、お詫びの […]
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逆引き武士語『約する』☜「約束する」
『やくする』 義を重んじる武士同士の間で、あえて約束などをしただろうか、とふと考えた。 約束というのは、破られては困ることを破られないようにするために、互いを拘束する決め事。だとすると、 信義にもとることはありえないとす […]
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逆引き武士語『不覚をとる』☜「油断した」
『ふかくをとる』 「ゆだん」気を緩めること、注意を怠ることを「油断」と表記する。 いったいどのような事情から「油を断つ」という漢字を宛てるようになったのか? ☞語源も諸説あるようで、ひとつは、大般涅槃経に所収の「王、一臣 […]
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逆引き武士語『時分』☜「よいころあい」
『じぶん』 テレビドラマ「相棒」のなかで、杉下右京が「そろそろ参る時分だ」と何気にもらした。 “えっ、じぶん、って、自分のことじゃないよね”、と耳を疑った。 「じぶん」を漢字表記すると、時間の「時」と「分」で「時分」。 […]
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逆引き武士語『渡りに船』☜「ラッキーだ」
『わたりにふね』 どうやって向こう岸に渡ろうかと思案していた、ちょうどそのとき、 どうぞお使いくださいとばかりに目の前に舟が寄せてきた。 なんとラッキーなことだ、と。 この挿話が、法華経の「渡りに船を得たるが如く」の一文 […]
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逆引き武士語『心得て候』☜「理解する」
『心得て候』 「こころえ」(心得)、今日でも、何かをする際に知っておくべきこと、習ったといえる程度の技芸を身につけていること、の意味で使われる。 「心得る」といって、理解する、了解する。 「心得た」といえば、細かい事情な […]
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逆引き武士語『新参者』☜「ルーキー」
『しんざんもの』 「ルーキー」とは、メジャーリーグMLBの新人を指す。 大谷翔平も日本での実績にかかわらず、MLBでは、ルーキー。 新人王おめでとう。 メディアは、大谷を二刀流と称している。 なんと武士語である。 黒船の […]
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逆引き武士語『子の刻』☜「零時」
☞『子の刻』 「零時」というのは、1時から1時間を引いた時。 一日が始まる時刻。明治初期の太政官逹では、夜中の12時を「午前零時」、昼の12時を「午前12時」と表記するものとなっている。 江戸時代の時刻の呼称は、二通りあ […]
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逆引き武士語『道行き』☜「ロマンス」
☞『道行き』 「みちゆき」(道行き) このことばの第一義は、読み通り、道行くこと、道中。また、道の行き方。 古くは、「道行き」は、出発地から目的地に到着するまでの道程を口頭で語ったもので、言語化された地図だとも、あるいは […]
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逆引き武士語『げせぬ』☜「分からない」
☞『げせぬ』 大川端に流れ着いた男女の土左衛門。冥途への道行き離れまいと、 手首と手首を結んだ帯締め紐に、目をおとした、銭形平次。 そこでひと言「こいつぁ、げせねぇ」。 平次親分の頭をかすめた疑いがもつれた糸をするりとほ […]
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逆引き武士語まとめ☞あ行〜わ行
<表記凡例>『現代語』☞『武士語』※読み解き>用例/実例◯別義(武士語の他の現代語意味)◆参考 [あ]行 『あいしています』(愛しています)☞『おしたいもうす』(お慕い申す)☞『こう』(恋う☞『こがれる』(焦がれる)☞『 […]
逆引き武士語『お慕い申す』☜「愛しています」
『おしたいもうす』 『お慕い申しあげます』 と、裃着けて告られたら、それまでさしたる感情がなかったとしても、 少なからず動揺するでしょう。 きっと、このことばには、 いとしい気持ち、いつくしむ心、大切にしたい思い、敬う心 […]
逆引き武士語『ぞんざい千万』☜「いい加減」
『ぞんざいせんばん』 「いい加減」ということばだが、清濁併せ吞む多様さで、いい加減にしてほしい。 アクセントが、前につくか後につくか、で意味が異なる。 前につくのが「いい湯加減」とか「丁度いい加減」とかと、用いられる、「 […]
逆引き武士語『風聞』☜「うわさ」
『ふうぶん』 風に聞くと書いて『風聞』。 うわさが立つということは、そこに何かがある、何かが起きている その何かを風に聞くというのだから、詩的で素敵。 日本人はいつも風に何かを聞いていた。風を敏感に感じとってきたのだ。 […]
逆引き武士語『辞儀に及ばぬ』☜「遠慮するな」
『じぎにおよばぬ』 同席するようすすめられたけど、「遠慮します」とお断りするケースでのひと言が、「じぎつかまつる」(辞儀仕る)。 「辞」は、別れをつげること。 礼儀正しく辞する、ということで「辞儀」。 「辞退」「遠慮」の […]
逆引き武士語『奥方様』☜「奥さん」
「おくがたさま」 他人の妻の敬称。武士の時代、その呼び方は、身分によって異なった。 ☞大名の夫人は「お方さま」と尊称された。 別に正妻のことを「北の方」ともいった。寝殿造りの北の対に住んだことからいう。 ☞ […]
逆引き武士語『埒を明ける』☜「解決する」
『らちをあける』 「この一件、らちをあけてみせやす」このひと言から、神田三河町の半七親分の謎解きが披露される。 岡本綺堂の『半七捕物帳』は、時代推理小説の先駆け、日本の探偵小説のルーツとされる作品。 居ながらにして幕末の […]
逆引き武士語『面妖な』☜「奇妙だ」
『さても、めんような』 「めんよう」は、名高いとか名声という意の「めいよ」(名誉)から生まれた、というと、さても面妖だが、 「めいよ」(名誉)が「めいよう」になり、さらに音変化して 「めんよう」(面妖)となったのだとされ […]
逆引き武士語『罷り越す』☜「来る」
『まかりこす』 香具山と耳梨山があひし時 立ちて見にこし 印南国原」(万葉集) 「今こむと 言ひしばかりに長月の 有り明の月を待ち出でつるかな」(古今和歌集) 古語の「く」(来・自動詞カ行変格活用)という語は、「来る」と […]
逆引き武士語『息災』☜「元気です」
『そくさい』 何事もなく達者であること、即ち元気でいることを「そくさい」という。漢字にすると「息災」。 「息」は「やめる」、「しずめる」の意。 「災」は「わざわい」。 そもそもは仏教用語で、仏の力で、災いや病いを除くこと […]
逆引き武士語『大義である』☜「ご苦労さま」
『たいぎである』 「たいぎ」(大儀)とは、朝廷で行われる最も重要な儀式のことをいう。 「大儀である」は、この儀式への「ご出席ご苦労さま」が原義。 いつしか、何かの働きや足労をねぎらうことばとして、目上の人が目下の者にかけ […]
逆引き武士語『是にて御免』☜「さようなら」
『これにてごめん』 武士が、辞するときのフルワードは 「さようしからばこれにてごめん」(然様然らば是にて御免) で、実に行儀のよい挨拶になる。 が、挨拶にしてはくどくどしいので、同輩間や日常使いでは、省略して「これにて御 […]
逆引き武士語『率爾ながら』☜「失礼ですが」
『そつじながら』 『そつじ』(率爾)とは、「だしぬけ」「とつぜん」「いきなり」の意。 「率」は、今でもいう「そつがない」の「そつ」、本来は、無駄とか手抜かりの意。 「爾」は、「なんじ」とか「それ」「そこ」などの意もあるが […]
逆引き武士語『よしなに』☜「好きにしろ」
『よきにはからえ』 「よきにはからえ」(良きに計らえ)などと、 この様に言える立場の人は限られる。 時代劇なら殿さまの専売特許のような科白。 ☞「よき」は「よく」で、「念入りに」「上手に」「巧に」。 「はからえ」は「はか […]
逆引き武士語『三国一』☜「世界一」
『さんごくいち』 「三国一」(さんごくいち)とは、日本・唐土・天竺の中で第一であること。 外国のことをさして、唐天竺(からてんじく)といった。 唐土(もろこし・中国)と天竺(インド)。日本を含めこの三国が世界だった。 そ […]
逆引き武士語『然様』☜「その通り」
『さよう』 「その通りだ」と相手の言っていることを肯定したり、 「はい、その通りです」と首肯く意味の「さよう」のルーツは、上代語の「さあり」(然あり)とされる。 「さあり」が音変化した「さり」(然り)も、「そうである」の […]
逆引き武士語『大事ない』☜「大丈夫だ」
『だいじない』 「だいじない」の漢字表記は「大事ない」。 読んで字の如しで、おおごとではない、こと。 「かまわない」「さしつかえない」「平気だ」「心配することはない」 「たいしたことはない」などなど意味し、要するに「大丈 […]
逆引き武士語『笑止千万』☜「ちゃんちゃらおかしい」
『しょうしせんばん』 「しょうし」(笑止)は、「困ったこと」が第一義。 「気の毒なこと」「かわいそうなさま」「滑稽なこと」、さらに、「笑っていられない」と「笑わずにはいられない」、 相反する意味を持つ。 ☞そもそもは、大 […]
逆引き武士語『帰するところ』☜「つまり」
『きするところ』 「つまり」「結局」「要するに」という意味で、武士が言葉にしていたのは、「きするところ」(帰するところ)ではないかと思う。 「落ち着く」「至る」という意味の「帰する」を 「こと」とか「場合」の「ところ」で […]
逆引き武士語『手元不如意』☜「手持ちがない」
『てもとふにょい』 当座の持ち合せが無い、懐がさびしい、ときなどに「てもとふにょい」につき、といって切り抜ける。 「てもと」(手元)は、手の届くあたり。 「ふにょい」(不如意)は、読んで字のごとく、意の如くならない、「ま […]
逆引き武士語『是非もない』☜「どうにもならない」
『ぜひもない』 「ぜひ」(是非)とは、物事の善いこと悪いことのこと。 「是」は、「善し」「正しい」。 「非」は、「あらざる」「あやまり」「不正」。 「是非いかにも弁へ(わきまえ)がたし」(平家物語)というように、物事の善 […]
逆引き武士語『合点がいく』☜「なるほど」
『がてんがいく』 「がてんがいく」、 「がてんがいかない」。 いくもいかないも「合点」の一言で、 半七も、伝七も、平次だって、捕物帳は、ここから幕が開く。 「がてん」(合点)は和歌や俳句で優れた作品の頭に付ける符合。それ […]
逆引き武士語『堪忍』☜「忍耐」
『かんにん』 「堪忍」の「堪」は「たふ」で、「こらえる」。 「忍」は「しのぶ」で、「がまんする」。 「忍」を解字すると、心に刃、字面からして痛い。 この痛さをがまんする、こらえる強い心を表している。 武士にとって「忍」の […]
逆引き武士語『忽せにしない』☜「抜かりなく」
『ゆるがせにしない』 「ゆるがせ」(忽せ)は、語感は力強いのだが、その意味となると、ぼんやり、頼りない。 「注意を向けないで、物事をいい加減にしておくさま」 「手を抜いておろそかにするさま」をいう。 ☞語源は、「ゆるいか […]
逆引き武士語『濡れ衣』☜「根も葉もない噂」
『ぬれぎぬ』 「ぬれぎぬ」(濡れ衣)は、「根も葉ものないうわさ」「無実の浮き名」「身に覚えのない罪」。 「ぬれぎぬをのみきること、いまははらへ捨ててむと」(和泉式部集) ☞「ぬれぎぬ」は、文字通り雨水や海水などに濡れた衣 […]
逆引き武士語『駕籠』☜「乗り物」
『かご』 「のりもの」は、人を乗せて運ぶものの意で、馬、牛、車などを称し、上代から言葉として、使われている。 「花の春、紅葉の秋、のりものを命(おほ)せて向かひ」 (常陸国風土記) 江戸時代になると、 とくに許された者が […]
逆引き武士語『たわけ』☜「馬鹿者」
『たわけ』 「ばかもの」ということば自体、南北朝時代の文献にみられるという。 「ばかのもの」といい、 「狼藉をはたらく者」の意味で用いられている。 いつごろから、「乱暴者」から、現代使われているような「愚かしい」という意 […]
逆引き武士語『小町』☜「美人」
『こまち』 美人をいうのにも等級があるのだそうだ。 横綱が「佳人」で、大関が「麗人」そして関脇が「別嬪」だという。 「別嬪」は、単に美しいのではなく非常に美しい女性で、これに育ちの良さが加わると「麗人」、知性まで備わった […]
逆引き武士語『怪しからぬ』☜「無礼だ」
『けしからぬ』 「ぶれい」(無礼)も武士語として、時代劇などの登場頻度は高い。 「無礼の段御容赦」などと用いられる。 「蛮夷僭上無礼の至極ぜひにおよばず候」(太平記) “武士が身分をわきまえず無礼を極めるのは、仕方がない […]
逆引き武士語『天下太平』☜「平和」
『てんかたいへい』 「平和」は、明治に入ってもたらされた。「peace」の翻訳語として造語されたのだ。 それまで「和平」という漢語はあったが、「和することによって平らぐ」で、戦争状態だったものが仲直りするという意味だった […]
逆引き武士語『御注進』☜「報・連・相」
『ごちゅうしんにおよぶ』 「ほうれんそう」と聞いて「ポパイ」と答える人は、相当長い間人間をやっきたに違いない。 恋人のオリーブがピンチになると、缶詰を握りつぶしてほうれん草を口にほうりこむ。腕の力こぶがみるみる大きくなっ […]
逆引き武士語『異な事』☜「また妙なことを」
『いなことを』 「いなこと」(異なこと)の「い」(異)とは、普通とは異なっていること。 「妙なこと」「不思議なこと」「おかしなこと」の意味。 「い」(異)ひと言は、現在の「えっ?」のようなものだろう。 言葉として口に出す […]
逆引き武士語『天晴れ』☜「見事だ」
『あっぱれ!』 殿様が扇を開いて「天晴れ!ほめてつかわす」というのは、時代劇コメディの定番。 歴史ものではあまり見られない。 ということで、「天晴れ!」は、肩肘はらずに面白半分で、使える武士語といえそうだ。 ☞「あっぱれ […]
逆引き武士語『曲げて』☜「無理を承知で」
『まげて』 「まげて」とは、道理や意志に反して行動するさま。 「理をまげて」の意。 無理を承知で頼むときに使う。 自分の要望ををなんとか了承してほしいと相手に願う気持ちを表す。 無理でも。是が非でも。なにがなんでも。 「 […]
逆引き武士語『下知する』☜「命令する」
『げちする』 「げち」は、命令、指図すること。 上から下に知らしめるから、漢字表記は「下知」。 「命令する」は「下知する」。 ☞『平家物語』には、戦記シーンで「下知」が頻出する。(げぢと読む) “みな平家の下知とのみ心得 […]
逆引き武士語『面目ない』☜「申し訳ない」
『めんもくしだいもござらぬ』 「めんもくない」というところを 「面目次第もないことでございます」と、幾重にも丁寧を重ねたのが、 「面目次第も御座らぬ」。 「世間に合わせる顏がございません」という意味がまぶされた、お詫びの […]
逆引き武士語『約する』☜「約束する」
『やくする』 義を重んじる武士同士の間で、あえて約束などをしただろうか、とふと考えた。 約束というのは、破られては困ることを破られないようにするために、互いを拘束する決め事。だとすると、 信義にもとることはありえないとす […]
逆引き武士語『不覚をとる』☜「油断した」
『ふかくをとる』 「ゆだん」気を緩めること、注意を怠ることを「油断」と表記する。 いったいどのような事情から「油を断つ」という漢字を宛てるようになったのか? ☞語源も諸説あるようで、ひとつは、大般涅槃経に所収の「王、一臣 […]
逆引き武士語『時分』☜「よいころあい」
『じぶん』 テレビドラマ「相棒」のなかで、杉下右京が「そろそろ参る時分だ」と何気にもらした。 “えっ、じぶん、って、自分のことじゃないよね”、と耳を疑った。 「じぶん」を漢字表記すると、時間の「時」と「分」で「時分」。 […]
逆引き武士語『渡りに船』☜「ラッキーだ」
『わたりにふね』 どうやって向こう岸に渡ろうかと思案していた、ちょうどそのとき、 どうぞお使いくださいとばかりに目の前に舟が寄せてきた。 なんとラッキーなことだ、と。 この挿話が、法華経の「渡りに船を得たるが如く」の一文 […]
逆引き武士語『心得て候』☜「理解する」
『心得て候』 「こころえ」(心得)、今日でも、何かをする際に知っておくべきこと、習ったといえる程度の技芸を身につけていること、の意味で使われる。 「心得る」といって、理解する、了解する。 「心得た」といえば、細かい事情な […]
逆引き武士語『新参者』☜「ルーキー」
『しんざんもの』 「ルーキー」とは、メジャーリーグMLBの新人を指す。 大谷翔平も日本での実績にかかわらず、MLBでは、ルーキー。 新人王おめでとう。 メディアは、大谷を二刀流と称している。 なんと武士語である。 黒船の […]
逆引き武士語『子の刻』☜「零時」
☞『子の刻』 「零時」というのは、1時から1時間を引いた時。 一日が始まる時刻。明治初期の太政官逹では、夜中の12時を「午前零時」、昼の12時を「午前12時」と表記するものとなっている。 江戸時代の時刻の呼称は、二通りあ […]
逆引き武士語『道行き』☜「ロマンス」
☞『道行き』 「みちゆき」(道行き) このことばの第一義は、読み通り、道行くこと、道中。また、道の行き方。 古くは、「道行き」は、出発地から目的地に到着するまでの道程を口頭で語ったもので、言語化された地図だとも、あるいは […]
逆引き武士語『げせぬ』☜「分からない」
☞『げせぬ』 大川端に流れ着いた男女の土左衛門。冥途への道行き離れまいと、 手首と手首を結んだ帯締め紐に、目をおとした、銭形平次。 そこでひと言「こいつぁ、げせねぇ」。 平次親分の頭をかすめた疑いがもつれた糸をするりとほ […]
逆引き武士語まとめ☞あ行〜わ行
<表記凡例>『現代語』☞『武士語』※読み解き>用例/実例◯別義(武士語の他の現代語意味)◆参考 [あ]行 『あいしています』(愛しています)☞『おしたいもうす』(お慕い申す)☞『こう』(恋う☞『こがれる』(焦がれる)☞『 […]